(辻本 真生 記者)
「こちらの信用金庫では、午前中から新紙幣への両替が行われています」
(職員)
「一万円が5枚のお返し」
7月3日、20年ぶりに発行された「新紙幣」。新たに肖像となったのは、1万円札が約500もの企業設立に関わった実業家渋沢 栄一。5千円札には近代的な女性高等教育に尽力した津田 梅子。千円札は破傷風の血清療法を確立しペスト菌も発見した細菌学者の北里柴三郎に一新されました。
その新紙幣を、なんと静岡でも作っているのです。それが静岡市駿河区にある「国立印刷局・静岡工場」。新紙幣には最先端のテクノロジーが満載。進化した偽造防止対策が、多く取り入れられています。その1つが、紙幣への採用は世界初となる3Dホログラム。紙幣を左右に傾けると肖像が立体的に動いて見えます。また、「すかし」部分の背景にも新たに微細な模様を入れて偽造を難しくしています。さらに、インクを盛り上げて印刷する特殊技術により、目の不自由な人でも指で触ってお札を識別しやすいようにしています。
7月3日、静岡市駿河区の「しずおか焼津信用金庫」静岡南支店では、午前中に新紙幣が届き、3日は特別に、窓口で新紙幣への両替が枚数限定で行われました。早速、新紙幣を手にした人は…。
(職員)
「金券をご用意させていただいています。千円と五千円と一万円札の三枚ですね。お待たせしました、ありがとうございます」
(新紙幣に両替した人)
「今までの一万円札、千円札、五千円札とは感じが違いますね」「ちょっと派手というか、すごい見た目がきれいですよね」「記念にどっちにしてもとっておきたいと思います」
(新紙幣に両替した人)
「きょう新紙幣が出るというので、それで替えに来た」
この信用金庫では、新紙幣への完全な切り替えは当分かかると予想しています。そのため、4日以降、ATMや両替機などでの両替は、新紙幣と旧紙幣が混在することが予想され、新紙幣への両替は対応は窓口で相談してほしいと話しています。
一方、静岡銀行にも新紙幣が到着しましたが、取り扱いは4日からということです。担当者は…。
(静岡銀行 本店 営業部 川合 美優さん)
「これから新紙幣が流通すると旧紙幣が使えなくなるといった詐欺の手口も増えると思うが、旧紙幣は使えるため注意してほしい」
また、県内の銀行では、スルガ銀行、清水銀行、浜松いわた信用金庫も、4日から取り扱いを始めるということです。
新紙幣の発行を受け、静岡鉄道では、3日までに新紙幣対応の券売機を設置しないといけない切実な問題がありました。
(静岡鉄道 鉄道部 運転運輸営業所 浅井 将勝 所長)
「静岡鉄道では15駅ありますが、その大半が無人駅になりますので、そこでの対応がすべて機械になりますので、その機械を交換しないと対応できなくなりますので、交換しないといけない理由の一つにあります」
また、キャッシュレスが進んでもICカードにチャージをする際に現金が必要となるため、静岡鉄道では2024年3月までに、すべての券売機を新紙幣対応のものに交換したということです。
一方、新紙幣への対応が急がれる中、静岡市にある券売機や両替機を販売・レンタルする会社は大忙しです!
(トラスト 山本 伊織 社長)
「こちらがですね、紙幣の読み取り装置になるんですけど」「こちらのユニットを交換してもらうことによって、新しいお札が使えるような状態になります」
この会社では、新紙幣対応の券売機などを、これまでに少なくとも200~300台 交換してきましたが、それでも、まだ注文の半分ほどしか交換できていないといいます。
(トラスト 山本 伊織 社長)
「全国的にも券売機の台数が増えたということもあるとは思いますけども、製造関係の部品の入荷の遅れや、注文の集中とか、そういったところが(遅れの)原因になる」
人手不足や人件費を補うため、多くの店舗などで券売機を導入したこともあり、いま全国的に品薄状態となっています。
(トラスト 山本 伊織 社長)
「年内に(機械が)入ってこないような待っていただいている状態になりますので、年内か来年まで、この状況が続くのかなと思います」
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