無許可でレッカー業を営んだなどとして道路運送法違反や詐欺などの罪に問われた男の裁判で静岡地裁は9日、レッカー業を営む男に執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
判決を受けたのは、レッカー業者の「H&Yインテグレーション株式会社」とその会社で代表を務める40歳の男の被告です。
このレッカー業者の被害者は170人以上。私たちは以前被害者から話を聞いていました。2023年4月、車を運転中縁石に乗り上げ、近くの修理工場に運んでもらうためこの業者にレッカーを依頼した女性。ところが…。
(被害にあった女性)
「高すぎるよ、そんなかかるはずないって」「10万を超えることはないでしょって」
請求された料金は相場の10倍近くにあたる17万円。母親を呼び、業者と話し合いましたが…。
(レッカー業者)
「それ以上、拘束されるようでしたら作業時間がかかってきますので我々」
(被害女性の母)
「作業何もないじゃないですか、 お金払ったから」
(レッカー業者)
「話しているのだって作業ですよ。ボランティアでやっているわけじゃないので」「いいですか?」
1時間ほどの話し合いも“作業時間”として加算され、最終的に請求されたのは24万円以上。女性は、全額支払うことに。
(トラブルにあった男性)
「全然話がかみ合わなかったり半分脅しみたいなことを言われたりして」「怒りを覚えた」
こう話すのは被告の業者に「バッテリー修理」を依頼したという男性。サイトには「バッテリー修理」の料金が「8800円から」と書かれていましたが。
(トラブルにあった男性)
「作業やられる前に見積もりだしてもらった方がよいかなと思って出してもらったら、高額な値段だったので驚いた」
提示された金額は10万円以上。結局、車の復旧作業をされませんでしたが、「お金を払わなければ帰らない」と言われ、男性は高額な費用を払うことに…。被告の男は、こうした手口で得た1年半の売り上げは4500万円に上るとみられています。
9日の判決公判で、静岡地裁の谷田部 峻裁判官は、「顧客の心理につけこんだ卑劣で悪質な犯行」と指摘。一方、「反省の意を示し、一部の被害者に被害弁償している」ことなどから被告の男が経営する会社に対し罰金100万円、被告に対し懲役2年、執行猶予4年と罰金100万円を言い渡しました。