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【日本の切り絵 7人のミューズ展】大胆・繊細 福井利佐さんが切り絵作品の見どころを解説(静岡・浜松市美術館)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年7月19日 18時24分

浜松市美術館で開かれている「日本の切り絵 7人のミューズ展」。7人の女性切り絵作家の作品を展示していますが、その中でも静岡県内出身の作家に、切り絵の魅力と作品に込めた思いを聞きました。

羽の模様をきめ細かくかつ大胆に表現した躍動感ある切り絵。こちらの作品からは、繊細で美しく幽玄な世界観が感じられます。制作したのは、静岡市出身の切り絵作家、福井利佐さんです。

(徳増ないるキャスター)

「こちらの作品は、線の力強さと立体感で圧倒されるんですが?」

(福井利佐さん)

「3次元的な影が落ちるとか、向こうが見える透過性、表と裏があるとか立体物として見せたかったので、切り絵を「彫刻」としてつくった作品」

白い紙でつくった切り絵に光をあてることであらわれる影もあわせて、一つの作品となっています。

福井さんの作品づくりは、きめ細かなデッサンから始まります。そして、カッターを使って緻密な描写を切り絵として表現していくのです。立体感や躍動感を追求した作品は注目を集め、大手企業や人気アーティストとコラボするなど活躍の幅を広げています。

さらに注目されるのが独特な表現力。こちらの作品では、時間差で光によって菊の花が浮かび上がる仕掛けをして、命のはかなさを表現しています。

(徳増ないるキャスター)

「とても素人にはできないなって思うんですけれども」

(福井利佐さん)

「はさみと紙があればできるので、そういう簡単なところから始めていけば、どんな方もできるワークショップがあるのでご参加ください。」

ということで、この日、開かれたワークショップに参加させていただきました。福井さんに教えてもらいながら切り絵に挑戦。お題はこの文字です。

(徳増ないるキャスター)

「浜松の浜という字ですね。どうしたら?」

(福井利佐さん)

「この中に浜松らしさを交えたオリジナルの作品を作りたいと思います」

ポイントは、全部の線をつなげることと、浜松らしいモチーフを入れること。自分でデザインしてみました。

(徳増ないるキャスター)

「普段カッターを使わないので、細かいところが本当に難しいですね、切れちゃいそう。大丈夫かな」

作業することおよそ30分

(徳増ないるキャスター)

「できました。ここはウナギ、ここは餃子。ここは音符です。難しいし、ものすごい集中力がいります。」

(福井利佐さん)

「初めてとは思えないくらい、切れ味がきれいに切れてる。さんずいを音符にしたりここを餃子、なかなかいない」

福井さんのすごさを改めて実感しました。そして、福井さんがこの展覧会のために制作した特別な作品があります。

(福井利佐さん)

「文字の『浜松』という中に、浜松の名所とか、特徴を取り入れた作品に仕上げました。ホンダのスーパーカブだとか、ピアノがあるとか、アカウミガメだとか、いろいろ気づいてもらって、離れてみたら『浜松』という文字になっているとか、それが切り絵で切り抜かれている、よく見ると細かいね、というようなことを感じていただければと思います」

福井さんをはじめ、7人の切り絵アーティストの個性豊かな作品113点を見ることができるこの展覧会は、浜松市美術館で9月15日まで開かれています。

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