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“タケノコ発言”で2回懲罰受けた沼津市議に県が“処分取り消し”の「審決」…市議会は「自立権に踏み込み遺憾」(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年8月13日 17時47分

いわゆる“タケノコ発言”で2回の懲罰処分を受け、その取り消しを求めていた静岡・沼津市議の「審決」申請について、13日 静岡県は「懲罰」を取り消す「審決」をしたことを発表しました。県が「審決」を出すのは今回が初めてということです。

(沼津市 江本 浩二 市議)

「私に対して沼津市議会が行った懲罰処分の取り消しが、静岡県によって決定しました。このことは、処分取り消しの審決申請を行った本人としてまずは大変喜ばしい」

13日、県庁で、懲罰処分を取り消す「審決」が下されたことを受け、会見を開いた沼津市の江本浩二市議。事の発端は、2023年9月、市議会で“市の土地に生えたタケノコを売っている”と受け取れる発言をしたことでした。

(沼津市 江本 浩二 市議)

「実は私の農地の中にも市の土地が存在しています」「その土地は、現在、竹林として管理をして、そこから毎年タケノコを掘って利益を得ています。販売しています」

これは、同じ会派の山下富美子市議が、「市の土地」を有料駐車場として貸し出していたとされる問題で、山下市議を擁護する形で発言したものでした。この“タケノコ発言”を巡り、市議会は紛糾…。市議会は、「議会の権威と品位を汚した」として、「陳謝文の朗読」と「出席停止1日」の2回の懲罰動議を出す事態へ。しかし、江本市議は、「陳謝分の朗読」を拒否…。「出席停止1日」の懲罰は受け入れました。

議会が空転してしまった“タケノコ発言”…。2023年、江本市議は私たちに、タケノコを採っていたのは、茶畑の管理をするためだと説明していました。

(沼津市 江本 浩二 市議)

「竹はこういう状態になると外に出よう外に出ようと地下茎を伸ばします」「その伸びた地下茎から毎年4月5月タケノコの時期になると」「50~60本は出てくるそれはお茶を管理する上では邪魔者でしかないので」

実際に隣接する市の土地でもタケノコを採っていたといいますが、そのほとんどを廃棄し、状態がいい一部のタケノコを「無人販売所」に出していたということです。また、市議会議員になってからは、販売はしていないと主張していました。その後、江本市議は、“懲罰は違法”だとして、当時の川勝知事に懲罰の取り消しを求める「審決の申請」を行いました。

これについて県は13日、8月7日に「懲罰」を取り消す「審決」を行ったと発表。県が審決を出すのはこれが初めてとなりました。その理由としては、「議会の品位を危うくする事態を生じさせたとまでは判断できない」などをあげ、“懲罰の適法性は認められない”と結論付けました。一方、議会での発言自体は「適切性を欠く」として、江本市議に反省と配慮を求めました。

(沼津市 江本 浩二 市議)

「私が一貫して述べてきた懲罰処分は不当、不法であるという主張のすべてが認められた訳ではありません」「多数派議員による少数会派への抑圧、懲罰審査手続きの不当性、議会・議員の品位についての解釈などについては、市民の声に耳を傾けながら沼津市議会においてほかの議員の皆さんと一緒に、一つずつ整理して議論を続けていきます」

一方、この審決について沼津市議会の高橋議長は。

(沼津市議会 高橋 達也 議長)

「審決は、発言内容が客観的に議会の品位を危うくするような事態を生じさせたまでとは判断できないと、議会の自立権に踏み込んで判断したものであり、誠に遺憾」

また、高橋議長は、結果的に審決には従うと話しましたが、「今回の審決は広く地方自治体の議会運営にも影響を与えるものであることを指摘しておきたい」と述べました。

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