アメリカのテレビ界で最高栄誉とされるエミー賞を18部門で受賞した「将軍」。静岡県内も登場するということで、ゆかりの地では「SHOGUNブーム」に盛り上がりをみせています。
肉汁あふれる和牛パティにとろけるチーズ。フレッシュな野菜をふわっふわのバンズではさんだ看板メニュー「ショーグンバーガー」。こだわりの一品を豪快にかぶりついていたのは、日本を訪れた外国の方たちです。店の、このトレードマークは…。
(アメリカから)
『サムライかな?将軍だね』
“将軍”といえば。
(アメリカから)
『アメリカではことしの最高の賞を勝ち取りました』
『全土で盛り上がっています』
アメリカのテレビ界で最高栄誉とされるエミー賞。俳優の真田広之さんが主演・プロデュースしたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が、作品賞をはじめエミー賞史上最多の18部門を制覇し歴史的快挙に。
“サムライの生き様”に、なぜ世界が魅了されるのか。東京・浅草には。
(ベルギーから)
『当時、実際にどのような生活だったのか学ぶためにここに来たんだ』『とても幸せだよ』『戦いにこの鎧を着て出陣していたとは驚き』『戦闘時どうなっていたのか想像することもできない、クレイジーです』
甲冑を着てサムライになりきったり、本物の刀などが見られる浅草のミュージアム。
(講師)
『将軍はサムライのリーダーです。ですから、将軍は1つの時代に1人しかいません』
そこに、サムライの歴史を真剣に学ぶ多くの外国人の姿がありました。
(講師)
『8時間で4万人ものサムライが命を落としました。私たちはこの戦いを「血まみれの戦い」と呼んでいます。これが関ヶ原の戦いです』
(アメリカから)
『とても残酷に聞こえました』『厳しい生活ですね』
Q.サムライの文化は好き?
(男性)
『文化としては』
(女性)
『私も文化としては。生き残れないだろうから』
「サムライ」で外国人観光客が増えたというところも。熊本に残る“サムライ文化”に触れてもらおうとつくられた日本古来の文化が体験できるツアー。参加者の9割以上が外国人です。
突如始まった殺陣のパフォーマンス。この場所で学べるのは“サムライの魂”「日本刀」の使い方。参加した外国人たち。はかまに着替えて…いざ。サムライに扮した先生の指導に、皆、真剣なまなざし。
(講師)
『抜いてみて』『いいですねすばらしい』
続いて、刀を振り下ろすけいこ。
(講師)
「レディーゴー」「パーフェクト」
実際に、殺陣にチャレンジ。
1時間にわたり行われた本格的な日本刀の指導。
(カナダから)
『歴史とかサムライに関する映画を見たり、完璧に知っているわけじゃないけど、サムライは神秘的です』
(イタリアから)
『サムライの文化は日本の文化の基本だと知りました』
“日本の文化の基本”なことから“真のサムライ”を学びたいと集う外国人。この施設は、一年先もすでに予約が入っているということです。
ドラマ「SHOGUN将軍」で話題になっている場所は静岡県内にも。ドラマ内で登場する航海士は三浦按針をモデルとしていて、ゆかりのある“伊東市”が、今、脚光を浴びています。三浦按針は、江戸時代、伊東市で日本初の洋式帆船を造り、伊東市発展の礎を築いたとされています。
市内には、メモリアルパークが設置され毎年、市内最大のイベント「按針祭」を開催するなど深いゆかりがあります。伊東市の小野市長は…。
(小野 達也 伊東市長)
「すでに(市の)ホームページなどでエミー賞受賞を伊東の三浦按針が準主役でいることを出している。真田広之さんを呼ぶといっても、恐らくハリウッ ドにいるので難しいが、色々な部分でアピールしていく」
一方、ここは伊東市の観光スポット「東海館」。三浦按針と伊東市のつながりを紹介する資料を展示しています。この日も、ドラマの話題を聞いて訪れたという観光客の姿が。
(観光客)
「三浦按針さんですね」「日本人みたいな顔になっちゃっている、その国に住むとその国の顔になってくのかしら」
(観光客)
「按針さんのモニュメントのところに行って、話題で盛り上がった」「いろいろなモニュメントがあって楽しかった。もっと盛り上がってほしい」
(観光客)
「日本に名前を残す偉業を遂げた。背景に徳川家康がいたのはわかるが、こんな立派な船をあの時代につくったのは驚異的」
“SHOGUNブーム”到来に観光協会の担当者は。
(伊東観光協会 村田 充康さん)
「若干だが按針がこれだけ脚光を浴びて少しずつ(観光客が)増加しているように感じる」「今まで按針というと花火大会というイメージがあった。実はそうではなくて、三浦按針が伊東で船を造ったということをもっと伝えていければ」
伊東市は、「青い目のサムライ」として活躍した三浦按針の魅力を再発信し、今後の誘客に力を入れていきたい考えです。
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