今回の衆院選で自民党は191議席で、公示前から大きく減らし、躍進した立憲民主党は148議席、国民民主党は28議席を獲得しています。自民、公明の与党は公示前の279議席から215議席と大きく減らし、15年ぶりに過半数の233議席を確保できませんでした。この結果に静岡県内の自民党議員は危機感を募らせています。
(自民・静岡1区 当選 上川 陽子氏)
「大変厳しい国民からの結果となった。今の現状を見るとどのように安定した形で運営ができるのか他党とも対話をしながら進めていかないといけない。一番大事なのは日本にとって何が重要かということ」
(自民・静岡2区 当選 井林 辰憲氏)
「県連からすると小選挙区で前回選から1議席減になっている」「県連として反省しなければいけないし、県連会長として、県下の党員党友のみなさんに心からおわび申し上げたい」
自民党本部では、今回の選挙の責任をとり、小泉進次郎選対委員長が辞任届を提出しました。自民党が“惨敗”する形となった衆院選の結果について、28日 午後の会見で石破総理は…。
(石破首相)
「昨日の衆院選挙において自民党は国民から極めて厳しい審判を頂戴しました」「痛恨の極みであります。真しに受け止め、心底から反省し、生まれ変わっていかなければなりません」
その上で、政務活動費の廃止などの政治改革の実現に向けて、党派を超えて議論する考えを強調しました。また、新たな連立政権を組む可能性について問われると…。
(石破首相)
「今この時点で、連立ということを想定しているわけではありません。それぞれの政策を、日本のために、国民のために、謙虚に取り入れていく。よく協議するところから取り入れていくところから始めていく」
具体的な明言はせず「今後の政権の枠組みについて議論していく」と話しました。まずは総理大臣指名選挙で野党側との話し合いが不可欠となるため、今後、協力を模索するとみられます。ある自民党幹部は、「協力する相手は国民民主党だ。政策面での協力か閣外協力をお願いするのが基本だ」と言及しています。立憲民主党の野田代表も他の野党との連携を模索します。
(立憲民主党 野田代表)
Q.まずは国民民主党からか
「基本的にはそういうことに なるだろうと思います」「基本的な考え方の整理は従来から泉執行部のときに連合を介して国民民主党とやってきましたので、それを引き継ぐということをずっと申し上げてます」
一方、今回の選挙で躍進した国民民主党の玉木代表は、改めて自民と連立する考えはないと強調しました。
(国民民主党 玉木代表)
「(連立について)考えておりませんということは、選挙中も申し上げましたけど、改めてそのことは申し上げした。もうあとはこれまでと同じなんですが、政策本位でいい政策あれば協力するし、駄目なものは駄目と言っていく」
今後、石破政権はどうなってしまうのか。政治ジャーナリストの青山和弘さんは、「このままでは政権を失う可能性がある」と指摘し、混乱した状態にあると話します
(政治ジャーナリスト 青山和弘さん)
「このまま与党が過半数を割っている状況だと、一番肝心な総理大臣指名選挙で石破さんが指名されないこともありうる。つまり、過半数をとれない場合は総理大臣になれないので、つまり政権を失う可能性もある。ただ、今回、比較第一党は自民党のままなので、簡単に政権交代が起こるかというと、野党は野党でまとまって、だれか一人総理大臣候補を立てるかというと、そうでもないので、非常に混沌とした状態となっている」
青山さんは、再び自民党が政権の基盤を固めるためには、「自公連立政権の枠組みを拡大していくことが重要だ」と話し、そのカギを握る政党として「国民民主党」を挙げました。
(政治ジャーナリスト 青山和弘さん)
「維新は公明党と全面対決して遺恨がある。国民民主党の方が接近しやすい。一方、立憲民主党と組むと大連立となって選挙結果をないがしろにした形となるので、過半数割れをしている数字を見ても、今215議席なので、過半数まで18議席足りないので、国民民主党が連立入りすれば過半数を超えるので、国民民主党の規模が、ある意味ちょうどいい。/ただ、国民民主党も野党として選挙で戦ってきたので、簡単に自民公明の連立政権の継続に手を貸すかというと簡単ではない」
今後、石破総裁が野党側へどのような提案をしていくのか、注目が集まっています
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