静岡県内では29日、衆議院選挙の小選挙区で当選した8人に当選証書が付与されました。一方、国政は混沌とした状態で石破総理は、政権の地盤固めに奔走しています。このままの政局が続くとどのような影響が出るのか専門家に聞きました。
29日午後、静岡県庁には、静岡1区から8区の小選挙区で当選した本人や代理人8人が訪れ、当選証書が付与されました。
県内8つの小選挙区では、自民で4人、立憲で3人、国民で1人が当選しました。また自民で2人、立憲で1人が比例で復活当選しています。
このうち、静岡4区で、与野党一騎打ちを制し、初めて小選挙区で当選を果たした国民の田中健さんは、新たな決意を述べました。
(国民・田中健氏)
「前回は比例だったので総務省だったが今回は県庁でもらえて小選挙区で勝った実感が沸いている。国会がすぐ始まったら思これまでの公約を一つでも実現できるよう頑張っていきたいと決意を新たにしている」
一方、国政では29日、石破総理が衆院選後初めて閣議を開きました。
27日の選挙で落選した牧原秀樹法務大臣と小里泰弘農水大臣は議員バッチを外した状態で出席。
閣議後、今後の進退について問われると…
(小里泰弘農林水産大臣)
「議員としての身分を失う以上は、大臣としての役割を果たすことはできないので、当然辞任することになる」
政府与党は、総理大臣の指名選挙を行う特別国会を11月11日に招集する方向で最終調整していて、石破総理は、召集までは2人の大臣を続投させる方針です。
自民・公明の与党が15年ぶりに過半数を割り込み、野党が勢力を大幅に拡大した今回の衆院選挙。
自民党は、特別国会で行われる予定の総理指名選挙が1回の投票では決まらず、決選投票までもつれ込んだ場合でも、石破総理が指名されるよう、国民民主党などに水面下で働きかけを行っています。
一方、立憲民主党の野田佳彦代表も国民民主党などの野党との連携を模索しています。
与野党の両方から連携を求められている国民民主党の玉木雄一郎代表は…
(国民・玉木雄一郎代表)
「私たちが欲しいのはポストでは なくて、選挙で約束した手取りを増やす、国民の懐を潤す経済政策の実現が欲しいんですよ とにかく政策実現に全力を傾けますので、連立入りすることはありません」
また、自民党との協力について、自民党側から具体的な対応は聞いていないと話し「与党が過半数を割った状況でいま政権に求められるのは多くの声に耳を傾けることだ」と強調しました。
国民民主党は自民党への協力の条件として衆院選で打ち出した「103万円の壁」撤廃などを要求する考えです。
今後、自民・公明の与党は、野党側と個別に政策合意をはかり、政権運営していく方針で、複数の政府与党関係者によりますと石破総理は国民民主党に対して近く、政策ごとに政権への協力を呼びかける考えだということです。
混沌とした状態が続いている日本の政治に政治ジャーナリストの青山和弘さんは…
(青山和弘さん)
「この政治状況だと大きいことは決められない政権になる、まだ連立の形が見えていないが、ちゃんとした連立が組めないと予算一つ決められない可能性がある。そうすると何も決められない政権になる」「生活や安全保障の面で影響が出てくる可能性がある」
また、外交面にも影響が及ぶ可能性があると指摘します。
(青山和弘さん)
「日本の政治が不安定だと足元をみられる可能性もあるし、首脳会談自体がこの総理大臣不安定だなという前提で向こうが入ってくるので、あまり込み入った話とか協力関係の話が簡単に進まない可能性もある。そういう意味で日本は不安な状況に置かれる可能性もある」
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