静岡大学の次期学長選で再選した現在の日詰学長が、31日、会見を開き、静岡大学と浜松医科大学の大学再編の合意書について「今年度内にリセットする」と発表しました。事実上、大学再編は白紙となります。
(静岡大学 日詰 一幸 学長)
「合意書につきましては今年度内をめどに一度リセットする。静岡大学の一体感のある大学運営機能強化に向けた体制等の再構築を行い、浜松医科大学を含む県内外や国内外の教育機関との連携を進めることで本学の機能強化を図り、それを拡充していきたい」
静岡大学と浜松医科大学の再編を巡っては2019年に、2つの法人を1つに統合した上で静岡と浜松に新たな大学をつくる「1法人2大学」案で合意書が交わされました。これにより、浜松に、医学・工学・情報学が連携した新たな大学が誕生すると期待の声があった一方で、静岡地区の新大学は、今より規模が縮小する恐れがあるなどとして、静岡キャンパス側が猛反対し、再編は延期に。この調整役として、3年前に学長になったのが再編に慎重な静岡キャンパスの日詰一幸学長でした。
浜松キャンパス側から合意書通りの再編を求める声が上がる中、日詰学長は、「合意書」とは異なる「1大学2校」案を発表し、学内の協議を経て静岡大学の正式な案としましたが、浜松医科大学は合意書通りの再編を望み、この案を受け入れませんでした。こうした中、任期満了に伴う次期学長選が行われ、教職員による投票の結果、現職の日詰一幸学長の得票が、合意書通りの再編を推進する近藤真副学長の得票を上回り、学長選考・監察会議を経て日詰学長の再任が決まったのです。31日の会見で、日詰学長は…。
(静岡大学 日詰 一幸 学長)
「投票で本学の意思が示されたと思う」「協議が前に進まない、これ以上協議しても打開の出口が見えない。いつまでもとどまっているわけにはいかない」と説明しました。