10月に再任された静岡大学の日詰一幸学長が、浜松医科大学との統合・再編を事実上白紙にしたことを受け、静岡市の難波市長は、6日、「なるべく早く議論を進めてほしい」と要望しました。
(静岡市 難波 市長)
「4年間の遅れはとんでもない遅れだと思う」「一言で言うと静岡大学の意思決定の問題だと、それに尽きる」
静岡大学の日詰一幸学長が浜松医科大学との統合・再編を事実上白紙にしたことに、苦言を呈した静岡市の難波市長。
静岡大学と浜松医科大学の再編を巡っては、2019年に、2つの法人を1つに統合した上で静岡と浜松に新たな大学をつくる「1法人2大学」案で合意書を交わしました。れにより、浜松地区に医学・工学・情報学が連携した新たな大学が誕生することで期待が高まっていましたが、静岡地区にできる新たな大学が、今より規模が縮小する恐れがあるなどとして、静岡キャンパス側が猛反対し、これまでの「合意書」とは異なる「1大学2校」案を発表したのです。しかし、浜松医科大学は、合意書通りの再編を望んだため、この問題は膠着状態に…。
こうした中、10月、任期満了に伴う静岡大学の次期学長選が行われ、教職員による投票の結果、現職で合意書に反対する日詰学長の再任が決まりました。そして、その後,、行われた記者会見で日詰学長は…。
(静岡大学 日詰 一幸 学長)
「静岡大学を合意書にある2つの地区大学に分割するのではなく、1つの総合大学として発展させていきたいと考えている。合意書については2024年度内をめどに一度リセットする」
こう着状態にあった浜松医科大学との統合・再編について、事実上、白紙撤回することを明らかにしました。この発言に対し、統合・再編にむけて期成同盟会を設立するなど、前向きな姿勢を示していた浜松市の中野祐介市長は、「合意書とは異なる案の説明も一切なされないまま合意書のリセットを記者会見で話したことは大変遺憾」と強く批判し、「誠意をもって対応してほしい」とコメントしました。一方、静岡市の難波市長は、6日の会見で、あくまでも要望とことわりつつ、「なるべく早く議論を進めてほしい」と述べました。
(静岡市 難波 市長)
「リセットなのか、白紙撤回なのか、正確な言葉は分からないが、やり直しということなので、その間に長い年月が流れている」「はっきり言うと、静岡大学には魅力ある大学にするために何をすべきか是非とも早く議論を進めて欲しい」
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