衆院選で大躍進し、今後の政権運営の“カギを握る”国民民主党。自民党や立憲民主党などと相次いで会談を行うなど、動きを活発化させていますが、各党とはあくまで「案件ごとに対応する」と説明しています。
(国民民主党 榛葉 賀津也 幹事長)
「我々案件ごとに対応考える。各党と“等距離”で政策実現にあたるために、特別な会議体ではなく案件ごとに対応するということを伝え、ご了解いただきました」
また、“与党との部分連合”と呼ばれることを否定し「与党の一部ではない」と強調しています。今の国民民主党について静岡県民は?
(県民 20代)
「自民党が結構保守的な考えなので、若い人からすると何か変えてくれるんじゃないかなという期待はある」
(県民 60代)
「玉木さんは独立して連合しないと言っているが、他の党との関係性があるので、どこまで自民党に取り込まれないで済むのか、私たちが見ていくところだろうと思います」
今後も、動きに注目が集まる国民民主党。その中で、最大の焦点となっているのが、「年収103万円の壁」の見直しです。
政権運営の協力を得るため、見直しを受け入れる方針の自民党では、6日、税制調査会の非公式の幹部会合が開かれ「年収の壁」の引き上げの是非など、2025年度の税制改正に向けた議論を始めました。
(自民党 税制調査会 宮沢 洋一 会長)
「税制改正については、年内に決めておかなければいけないと思っていて、そうすると、決して時間的に余裕がある話ではない」
一方で、実現すると、国と地方で税収が7兆6000億円減少するという試算もあり、国民民主党との間でどう折り合いをつけるのか注目されています。
国民民主党は、所得税などが非課税となる「年収103万円の壁」を178万円に引き上げることを求めていて、これにより、手取りアップと“働き控え”の解消を目指しています
静岡県内でも、“働き控え”による人手不足に悩む現場からは、”年収の壁”の見直しを歓迎する声も。熱海市内のホテルでパートで働く従業員は…。
(パート従業員)
「もうちょっと働きたい家庭も助かるので」
(パート従業員)
「制限があると働ける時間があっても働けない、コントロールしなければいけない」「もうちょっと自由にみんな働ければいいと思う」
年末になると、パートやアルバイトが働く時間を調整するほか、そもそも最低賃金が引き上げられていることで、「年収の壁」を意識する従業員の働く時間が限られている現状があるといいます。
(ホテルニューとみよし 富岡 篤美 社長)
「本来なら働ける人が、そこにいるのに働けない矛盾した状況」「この状況下で改善されないのは、ただ働きにくくなるだけの話で、何とかしてほしいと思っている」
一方で、“別の壁”についても議論が必要とされています。それが、“社会保険の壁”です。仮に、年収103万円の壁が引き上げられたとしても、次にぶち当たるのが106万円の壁、あるいは130万円の壁で、これを超えてしまうと、社会保険料を負担する必要がでてくるのです。この「社会保険の壁」についても、見直しを求める声も上がっています。
こうした中、国民民主党は、6日、政府が近く策定する経済対策についての議論を開始しました。会合では、「年収103万円の壁」の見直しのほかに、ガソリン代や電気代の値下げなどの経済対策や、能登半島の復旧・復興支援策などを求める意見が出ました。
(国民民主党 玉木 雄一郎 代表)
「政権の延命に協力する気はない」「速やかにやるべきものから一つ一つ実現につなげていきたい」
国民民主党は対策を取りまとめ、8日に行われる自民党、公明党との政策協議で申し入れる方針です。「年収103万円の壁」を178万円まで引き上げることについて、「譲らない」と話す玉木代表。与党との協議の中で、どこまで政策を実現できるのか注目が集まります。
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