“オクシズ”と呼ばれる静岡市の中山間地域は、中心部から離れていることもあり、地場産品の販売や住民の買い物に不便な点もありますが、それを少しでも解消しようと、11月からある新たな取り組みが始まりました。
豊かな自然が広がり、静岡の“癒しエリア”として人気の“オクシズ”。しかし、中心部からは離れているため地場産品の販売先が限られていたり、日常の買い物も不便だったりします。そんな状況を少しでも改善しようと、11月から行われているのが郵便局の配送を活用した輸送の実証事業です。中山間地でも、くまなく構築されている日本郵便の配送網に注目し、集配車両の空きスペースなどを活用しようというものです。今回は、「地場産品の配送サービス」と、住民の「買い物支援サービス」の2つが行われています。
「地場産品の配送サービス」は、オクシズの小規模農家が生産する農産物などをオクシズ内の郵便局で預かり、それを郵便車両の空きスペースを活用して静岡市・中心部にある郵便局へ安く輸送し客に届けるというサービスです。これまで販路が限られていたオクシズの農作物や加工品が、広く流通することが期待されています。
この日は、清沢地区にある「きよさわ里の駅」から、地域の特産品である「清沢レモン」を使った加工品などが郵便局に持ち込まれ、郵便局の車両に載せられて静岡中央郵便局に運ばれたあと、販売先の人に引き渡されました。今回、商品を出荷した人は…。
(サービスを利用した人)
「なかなか清沢まで出向いてくれる方が少ないので、このような事業で、街の方で売っていただくのはとっても助かります」
そして、住民の「買い物支援サービス」は、フードマーケット・マムを運営するタカラ・エムシーのネットスーパーと、日本郵便の配送網などを組み合わせて行われます。オクシズの住民がネットスーパーで注文した商品を、中心部の郵便局からオクシズの郵便局まで、郵便車両の空きスペースを活用して届けます。このサービスを利用することで、“オクシズ”にいながら都市部と変わらない買い物が簡単にできるようになります。
(利用した人)
「荷物 取りにきました」
早速このサービスを利用した人は…。
(利用した人)
「すごく便利だと思いますね」「スーパーに行く頻度がほぼ毎日で、いろいろなスーパーに寄ったりするんですけど、それが少しでも軽減されるってなったら、やはり楽ですし」「朝8時までに注文すれば、その日の昼過ぎとかに着くので、それはもう、すごく助かるなって感じ」
郵便の配送網を活用した新たなサービス。中山間地域の活性化や住民の利便性向上など今後の広がりが注目されそうです。
この記事の動画はこちらから再生できます