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“ローカル鉄道の再生請負人”鳥塚 亮氏が社長就任した大井川鉄道で 思い出のSLと運命的な再会(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年11月8日 17時48分

おととし2022年の大雨被害で、いまだ20キロもの区間で運休が続く大井川鉄道。そこに、2024年6月、“ローカル鉄道の再生請負人”と呼ばれる鳥塚 亮さんが社長として就任しました。

鳥塚さんは、これまで経営の悪化で廃線の危機にあった千葉県の「いすみ鉄道」や、新潟県の「えちごトキめき鉄道」を、ユニークな取り組みを次々と打ち出し復活させてきました。その手腕を買われ、大井川鉄道の再生を託されたのです。

社長席の後ろの窓からはトーマス号が間近に!!鳥塚社長も思わずスマホで撮影します。

(大井川鉄道 鳥塚 亮 社長)

「特等席ですよ、ここ特等席です。煙が風向きでこっち入ってくる時は『窓閉めろ』って言われますけど。」

鳥塚社長は、子どもの頃からSLが大好きで、写真を撮りに全国へ出かけたといいます。中学生のときには、飛行機に乗り日帰りで北海道へ行ったことまで!

そうやって当時熱心に追いかけたSLが、大井川鉄道にあったのです。

(大井川鉄道 鳥塚 亮 社長)

「この機関車は僕の思い出の機関車で、まさしくこの子なんです。」

every.Lifeは、大井川鉄道の再生を託された鳥塚社長の“運命の再会”と、社員たちの心を動かした“鉄道愛”に迫ります。

きかんしゃトーマス号が人気の大井川鉄道。現場主義を掲げる鳥塚社長は、きょうもホームでお客さんを見送ります。

(お客さん)「握手していただけますか?」

(鳥塚社長)「握手?俺と?ありがとうございます。どこから来たんですか?」

(お客さん)「群馬県から」

(鳥塚社長)「群馬県から来てくれた。ありがとうございます」

(お客さん)「うわあ、リアルトーマスだ!」

(鳥塚社長)「シャッター押しますか?」

注目の的は、やはりきかんしゃトーマス号ですが、この夏、「C10型」と呼ばれる、およそ100年前に製造された、大井川鉄道で一番古いSLが復活しました。これが鳥塚社長にとって“運命のSL”なのです。

(大井川鉄道 鳥塚 亮 社長)

「この機関車は僕の思い出の機関車で、中学3年生の時ですから、もう50年近く前に岩手県の宮古市のラサ工業ってところで、走ってたんです』

当時15歳だった鳥塚社長は、このSLを撮影するため、夜行列車で岩手まで行きます。そして、許可をもらい、SLによじ登りナンバープレートの“拓本”を取ったのです。そんな忘れられないSLと、会社の再生を期待され社長としてやってきた大井川鉄道で“運命の再会”を果たしたのです。

(鳥塚社長)

「思い出の機関車で、写真もいっぱい撮らせてもらって、それが今まだここで現役で活躍してるんで非常にありがたいですよね。」

突然やってきた鉄道好きの新社長に、現場の社員たちはあるサプライズを考えます。

(大井川鉄道 新金谷車両区 松本幸一 副区長)

「鳥塚社長が若い頃にラサ工業に行って、後ろのナンバープレートの拓本取るために登られた画像がツイッターとかで上がってて、今回(社長)就任ってことで、せめてもの歓迎っていうか、何か記念に残るもので現場からの提案です。」

「C10型」は、今回の復活に合わせ、前方に手すりが取り付けられ、後ろにはトラ模様のペイントがされました。 実はこれ、50年前に鳥塚社長が見た当時の姿を再現したものなのです。

(大井川鉄道 新金谷車両区 鈴木巧馬 助役)

「やはり鉄道好きの社長が就任して、車両の貴重さであったり整備の難しさってことも理解していただけるのかなと思いますので、我々現場としてもそういったことを知ってくれてる方がいると、ちょっとモチベーションにつながるのかなと思ってます。」

(鳥塚 社長)

「嬉しかったですよ。昔のね、私の写真をネットにUPしたのを見つけてきてで、その通りに黄色と黒に塗ってくれたりしたもんですから、はい。嬉しかったです。」

さらに、50年前と同じこんな写真も撮影!15歳の鉄道少年は64歳となり、このSLが走る鉄道の社長になりました

(C10型8号機 発車 汽笛)

鳥塚さんは、大井川鐵道の社長就任を要請された時、この思い出のSLが今も大切にされていることに運命を感じたと言います。

(ディレクター) Q. SLの魅力って何でしょう?

(鳥塚社長)「僕は音ですね。 やっぱりね、シュッシュポッポ シュッシュポッポって音ですよね。聞こえてくるのがいいですよね。ガクンガクン揺れますし」

(汽笛 ポーッ!)

(鳥塚社長)

「ちびっ子たちがね来てくれてるじゃないですか。大井川鉄道の思い出を持った子たちが、次の時代を作っていってくれれば、これ非常にいいことじゃないかなあと思いますんで、そういう仕事をしていきたいなと思います。」

すでに鳥塚社長は新たな取り組みとして、この冬、“レストラン列車”を走らせる準備を進めています。

“鉄道愛”に溢れた新社長とその愛に応えたいという社員たち。大井川鉄道が再生に向けて動き出しています。

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