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【浜岡原発】知事とトップ会談した中電社長…再稼働見通し問われ「まだまだ、いつといえる段階にはない」(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年11月21日 17時29分

静岡・御前崎市の浜岡原発を巡り、中部電力の林社長と鈴木知事がトップ会談を行いました。防波壁を28メートルに“かさ上げ”する方針が示される中、再稼働の行方は…。

(白鳥 貴久 記者)

「中部電力の林社長が、知事とのトップ会談を行うため知事室に入っていきます」

21日、静岡県庁を訪れたのは中部電力の林欣吾社長です。新たに示した浜岡原発の安全対策を説明するため、鈴木知事と“トップ会談”を行いました。

(中部電力 林 欣吾 社長)

「(想定が)25.2メートルと出たので、それに対応できるようにドライサイト(原発敷地内に津波を侵入させない)を守って28メートルの防波壁をつくる対策の方針を意見交換しました」「一歩進みますので、ちゃんと丁寧に的確に安全のために設備対策をやっていくと同時に、県民の皆様には丁寧にお話をしていきます。情報公開をしっかりして、お話していきたいと思います」

(鈴木知事)

「原子力発電は安全性の確保が一番なので、新規制基準の適合性審査をしっかり対応いただき」「津波対策などの取り組みを進めていただき、一層の安全の確保に努めていただきたい」

中部電力が再稼働を目指している御前崎市の浜岡原発。

(菅 首相・2011年5月 当時)

「浜岡原発の全ての原子炉の運転停止を中電に要請しました」

2011年、福島第一原発の事故を受け、当時の菅首相が、異例となる「停止要請」を行い、中部電力が、全ての原子炉の運転を止めてから13年以上、停止したままとなっています。

中部電力は原子力規制委員会に3号機と4号機の審査を申請し、安全対策に約4000億円の費用をかけてきました。中でも、“津波対策の柱”として整備した防波壁は、2012年に国が南海トラフ巨大地震による津波を最大19メートルと想定したため、当初の海抜18メートルの高さを22メートルまでかさ上げし、2015年に完成させました。しかし、2024年に入り、中部電力は、地震と海底での地すべりが重なって発生すると、津波は「最大25.2メートルに達する」との新たな想定を示し、原子力規制委員会が了承。これを受けて、中電は防波壁を28メートルの高さに、さらに“かさ上げ”することを明らかにしていました。

(中部電力 林 欣吾 社長)

「他社のプラント審査の実績を見ると、2年程度かかっています。最終的に新基準への適合性確認をいただけるように全力で取り組むとともに、審査過程や取り組みの内容を地域の皆さま、静岡県、社会の皆様に丁寧に説明していきたい」

防波壁について、中部電力は、以前か“かさ上げ”した4メートルの壁を撤去して、新たに10メートルの壁に付け替え、28メートルの高さにする予定です。一方、残る大きな課題となっている「敷地内の断層」については、地震を起こす活断層ではないことを、新たなデータを提出しながら示していく方針です。

冒頭を除いて非公開で行われた約10分間のトップ会談。“再稼働の見通し”について問われた林社長は…。

(中部電力 林 欣吾 社長)

「止まってから13年たっています。審査も時間がかかっているので、この間、県民の皆様にはご心配とご支援、ご協力いただいたことへの感謝の意を述べさせていただいた。今後ですが、審査の段階がステップアップ、前に進みましたので、それに対して真摯(しんし)に取り組んでいくということ」「大事な県と御前崎市の皆様との対話があるので、ご理解ご支援があるので、それをみると、まだまだ、いつ再稼働といえる段階にはないと思います」

また、28メートルに“かさ上げ”する防波壁については、今後、工事の期間や費用を検討していくと述べました。

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