リニア工事を巡って山梨県側から実施していたボーリング調査が県境を越えて静岡県内に到達したと、20日 発表されました。JR東海の丹羽社長は、21日の会見で、「慎重にボーリング調査を行っていきたい」と話しました。
(JR東海 丹羽 俊介 社長)
「県の専門部会で説明している通り、設定した湧水量の管理値と管理フローに基づいて、慎重にボーリング調査を行ってまいりたいと思います」
21日 午後 開かれた会見で「慎重に調査を行っていきたい」と話した、JR東海の丹羽社長。
工事区間の地質や地下水の状態を調べるために行われているボーリング調査を巡っては、川勝前知事が在任中、県は「水の流出や環境に影響を与える懸念がある」と主張し、一貫して県境300m手前からの調査を認めていませんでした。その後、川勝前知事の辞任直後に県の専門部会で議論が前進し、9月、大井川流域市町などで構成する利水関係協議会から了解が得られたことから、鈴木知事はJR東海に対して県内の調査の実施を容認。JR東海は、山梨県側で実施しているボーリング調査を前進させ、20日、県境を越えて県内に入ったと発表しました
21日、定例会見を開いたJR東海の丹羽社長は、「今後の調査のスケジュールは未定」としながらも、「可能な限り未調査区間の調査を実施していきたい」と話しました。
(JR東海 丹羽 俊介 社長)
「ボーリングを進めていく中で、地質などの状況はいろいろある。早く進行したり1日で進んだりとか、日によって進み具合に差があるので、スケジュール感については何とも言えない」「県境から県側の未調査区間について実施していきたいと考えている」
一方、21日、国交省には、リニア沿線10都府県の経済団体からなる連合会が訪れ、国に対しリニアの早期開業を求める要請書を手渡しました。8月に発足した県の協議会は、今回が初めての要請活動となり、国に対し「東京~名古屋間の早期整備」や「駅周辺のまちづくり事業への支援・協力」などを求めています。
(静岡県経済団体協議会 岸田 裕之 会長)
「皆さま真しに受け止めていただいたと思っている」「国がちゃんと責任を持って進めていくという、重く、力強い言葉をいただけたと思っている」
長年こう着状態が続いていたものの、2024年に入り、大きな前進をみせているリニア問題。本工事に向けた今後の進ちょくに注目が集まります。
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