いわゆる「103万円の壁」の引き上げについて議論が本格化する中、地方税収の減少が懸念されています。静岡・鈴木知事は、26日の会見で、あらためて国の財政支援の必要性を訴えました。
25日、自民・公明両党の税制調査会は総会を開き、2025年度の税制改正の議論を本格的にスタートさせました。
(自民党 宮沢 税制調査会長 )
「今年は昨年のように自公で決めたものが成案になるというわけではなくて、この税調と同時並行で国民民主党を入れた3党の協議というものも含みます」
焦点の一つは与党が国民民主党と合意した「103万円の壁」の引き上げです。この引き上げについては、地方税収の減少につながることから、25日の全国知事会でも、出席した知事からさまざまな意見が出ました。そして、恒久的な“減税”とするならば、財政支援も恒久的な措置とするよう国に要望することで一致しました。全国知事会会長で宮城県の村井知事は、その後、石破首相に要望を伝えました。
(宮城・村井知事)
「どのような状況でも、地方一般財源の総額は、何としても確保する総理の思い、地方創生にかかわる予算は、来年度はまず倍増するけど、それ以降も確保したいというその強い思いは伝わってきた」
こうした中、与党内では「所得税」の基礎控除を引き上げる一方、「住民税」の基礎控除を引き上げの対象としないいわゆる「分離案」が浮上しています。この分離案について、26日、国民民主党の玉木代表は…。
(国民民主党 玉木代表)
「国税に合わせて地方税もですね、当然対象になるし、もしそういう案が正式にくるのであれば、まずは話を聞いてみたい。まだ正式に来ていないのでコメントは差し控えます」
一方で、「地方への影響を総合的に判断して今後の交渉に臨みたい」とも述べています。
静岡県は、「103万円の壁」を国民民主党が主張する178万円まで引き上げた場合、県内の地方税の減収額は1090億円に上ると試算しています。26日の会見で鈴木知事は…。
(鈴木知事)
「知事会でも、この問題が一番大きな問題になったが、知事会の総意として石破総理にしっかり手当をすること、しっかり真水(国の財政支出)で担保する制度設計にしていただきたいと強く申し上げました。これは、われわれ知事会だけでなくて、日本全体の自治体の総意ではないかと思います」
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