静岡市の東名高速・日本平久能山スマートインター周辺に誘致する方針の大型商業施設について、市は、27日の市議会で、「特定の商品に特化した専門店が地域経済の活性化に繋がる」との見解を示しました。
(静岡市 難波市長)
「静岡市に残された大変貴重な土地」「広域から多くの来訪者を呼び込むため、新たな交流拠点の形成を目指す」
27日、静岡市議会で、駿河区の東名高速・日本平久能山スマートインターチェンジ周辺の新たな まちづくりについての構想を説明した難波市長。約47ヘクタールの広大な平地が広がる宮川・水上地区では、これまで、地権者組合が市外からの集客や雇用創出のため、大型商業施設の誘致について検討してきました。難波市長も、就任当初から商業施設や企業の誘致の必要性を訴えていて、今回の再開発を「最後のチャンス」と大きな期待を寄せていました。
(静岡市 難波市長)
「大変期待している。この静岡市において、あれだけの面積で面的なまちづくりができるのは最後のチャンス。この最後のチャンスをしっかり生かして、あってよかったというまちづくりをしていきたい」
一方、大型商業施設の誘致を進めるあたり、大きな壁となっているのが、市が2013年に施行した郊外への大型商業施設の出店を規制する条例です。条例では、店の売り場の面積が8000平方メートルまでに規制することなどが盛り込まれていて、これにより、郊外に大型商業施設を誘致することができなくなっていました。また、大型商業施設による中心市街地や周辺の商店街などへの影響も懸念されていて、静岡市中央商店街連合会は、6月、郊外への大型商業施設の誘致は慎重になるよう求めていました。
こうした中、静岡市は、10月開催した商業振興審議会で、宮川・水上地区の再開発を進めるにあたり、この地区の建築物の売り場面積や延へ床面積の上限を条件付きで緩和する案を発表。建築物の延べ床面積は、現在の2倍となる2万平方メートル、売り場面積は現在の1.5倍となる1万2000平方メートルとする条件などが示されました。難波市長の肝いりで大型商業施設の誘致に向けた環境整備が進み始めています
27日の静岡市議会では、自民党会派の宮城展代議員が、再開発による土地利用の考え方や今後の進め方について見解を求めると、難波市長が商業施設や企業誘致の必要性を改めて説明しました。
(静岡市 難波市長)
「人口減少、若年層の人口流出が著しい静岡市においては、医療立地を促進し、若い世代を引きつける仕事や雇用を創出していくことが必要。そのためには、企業は立地しやすい環境を整備していく必要があるが、現状では企業に十分な措置を提供できていないという課題を抱えている。この課題を解決するためには、新しい用地を創出する、あるいは今ある用地を高度利用する取り組みをこれまでの延長上のやり方とは異なるやり方で行っていく必要がある」
また、質問は、中心市街地への影響についても。
(自民党静岡市議団 宮城 展代 議員)
「静岡都心地区の商店街への影響を及ぼさないように、宮川・水上地区の商業のあり方をどのように考えているのか?」
(静岡市の担当者)
「宮川南地区に大規模施設に個店がテナントとして複数立ち並ぶ、いわゆるショッピングセンターが立地すれば、当該地区に大きな商店街が作られることと同じであり、その中で回遊が整ってしまう可能性が高く、 静岡都心地区の商店街へのマイナス面での影響が大きいと捉えていいる。 一方、特定の商品に特化した専門店のようなショッピングセンターとは異なる形態の店舗であれば、スマートインターチェンジを生かした広域からの顧客を呼び込み、その人の流れを静岡と都心地区に回遊させることで、商店街へのプラス面での効果と考えている」
静岡市の担当者は、「ショッピングセンターではなく、特定の商品に特化した専門店であれば、中心市街地の活性化にもつながる」と説明しました。市は、現在、区画整備を進めるにあたり示した条例案について、パブリックコメントを12月23日まで実施していて、1月下旬ごろに、パブリックコメントを反映した審査基準などを公表する方針です。
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