浜松市の縄文時代の遺跡からウナギの骨が見つかり、当時からウナギが親しまれていたことを示すものとして注目されています。そして、その浜松のウナギに、新たなブランドが誕生しました。
28日から浜松市博物館で展示されているのが…。
(浜松市博物館 鈴木 一有 館長)
「こちらが発掘調査で出土したウナギの骨です」
これが、8月に行われた浜松市の発掘調査で見つかったウナギの骨。直径わずか3ミリほどで骨に“トゲ”があるのが特徴です。見つかったのは縄文時代の集落遺跡「蜆塚遺跡」で、古代の人が食べた貝殻が積み重なってできた「貝塚」から、実に67年ぶりに見つかりました。最新の手法で選別し、これまでは難しかった細かい骨の採取に成功。縄文人も浜松名産のウナギを味わっていたのでしょうか。
(浜松市博物館 鈴木 一有 館長)
「浜松ですからやった!と思いましたね」「浜松といったらウナギが名産なので、4000年前からウナギに親しんでいたので、これからももっとウナギに親しみを持っていただけたらと思いますね」
そんな古い歴史をもつ浜松の「ウナギ」。29日、大きな転機を迎えました。29日、浜名湖養魚漁協が、浜名湖養鰻125年の歴史の中で新たな挑戦となる新ブランドウナギを発表しました。
(浜名湖養魚漁協 外山 昭廣 代表理事)
「新ブランド名は”でしこ”です」
(で)伝統を守り、(し)進化を続ける、(こ)幸福を届けるの頭文字をとって「でしこ」と名付けらた新ブランドウナギ。その特徴は、従来のウナギよりも肉厚で身や皮が柔らかいことや、脂のりが豊富なことです。”でしこ”はどう育てるのか?養鰻場を訪れると…。
(浜名湖養魚漁協 販売部 小川 博之 部長)
Q.餌の特徴は?
「新ブランドのウナギはメスウナギが一つ基本になる」「肉厚になって身が柔らかく脂のりが非常に良いというのが特徴で、このブランドとしてはメスだけではなく、我々浜名湖が取り組んできている、土づくり、水づくり、人づくりそういう養鰻発祥以来の伝統技術を合わせた品質をブランドとして認定していく試み」
この新ブランドウナギの成長に欠かせないのが”大豆イソフラボンを混ぜた餌”だということです。
(浜名湖養魚漁協 販売部 小川 博之 部長)
Q.なぜ大豆イソフラボン?
「(ウナギは)成長の段階で、オスになるかメスになるか分かれていく生き物」「稚魚の時から25グラムまでに大豆イソフラボンを与えていくとメスになりやすくなる」
新ブランドたち上げの背景には、シラスウナギの不漁や価格高騰などによる生産者の減少などの危機的状況を乗り越えたいという思いがあるといいます。
(浜名湖養魚漁協 外山 昭廣 代表理事)
「我々養殖業者がモチベーションを高めるために”でしこ”がきっかけになる」「みなさんがおいしいと言って食べていただくことこれが1番」
浜名湖養鰻125年の歴史の中で新たに誕生した新ブランドウナギ”でしこ”。組合では、地元を中心に、順次専門店へ展開していきたいと話しています。
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