病気と闘う子どもとその家族に笑顔を届けたいと、先日、浜松市の病院にクリスマスバルーンがプレゼントされました。このバルーンに込められた思いと活動に迫りました。
浜松市中央区の聖隷浜松病院。12月3日、小児病棟に運ばれてきたのは…。
(まるここクラブ スタッフ)
「よろしくお願いします」
入院中の子どもたちへのプレゼント「クリスマスバルーン」です。病気と闘う家族を支援する団体「まるここクラブ」が、クリスマスシーズンに合わせて2023年からバルーンをプレセントしています。
団体の代表・神門えみ子さんです。この活動を始めたきっかけは、娘の闘病生活にありました。
(まるここクラブ 神門 えみ子さん)
「病院の中で行われること一つ一つが、外に出られない子ほど楽しみだったりするので、私も娘と闘病していて、うちは命の宣告をされてからの闘病だったので、日常生活が貴くてというのを本当に感じて実感しているので」
(心菜ちゃん・当時4歳)
「なんで私のつみきは…」
歌やダンスが大好きだった神門さんの娘・心菜ちゃんは、2019年4歳の時、脳に腫瘍が見つかり小児がんと診断されました。病名は「小児脳幹部グリオーマ」、通称「DIPG」。脳の中で生命を維持する重要な器官に「がん」ができる病気で、未だに根本的な治療法はなく、余命1年を宣告されたのです。
(心菜ちゃん・当時4歳)
Q.気持ちが悪い?
「悪くない」
Q.頭が痛い?
「痛くない」
薬の副作用や放射線治療。さらに、コロナ禍で入院中の面会は制限され、家族でさえ会えない日々。それでも心菜ちゃんは弱音も吐かずに病気と闘いました。退院の時に父親が迎えに来た時には…。
(父と対面した心菜ちゃん)
病気の進行とともに動かなくなっていく体。精一杯、生きようとした心菜ちゃんでしたが、2020年7月、わずか5歳で天国へと旅立ちました。
深い悲しみで塞ぎこんでしまった神門さんでしたが、同じように病気と闘う子どもと家族を支えたいという思いから、2023年に支援団体を立ち上げ、レモネードを売った収益のほか、寄せられた寄付を病気と闘う親子のサポートなどに充てる活動を始めたのです。
(まるここクラブ 神門 えみ子さん)
Q.闘病中の家族に伝えたいこと
「一人じゃないよ。いるよっていう。応援をしてくれている人がいるというのは、闘病中すごくうれしかったので」「小児がんを知ってもらうことが大事だと思います」
2024年は、集まった寄付で浜松医科大学医学部附属病院と聖隷浜松病院の2か所にクリスマスバルーンをプレゼントすることができました。12月14日。聖隷浜松病院では病院のクリスマス会が開催されました。
入院中の子どもや家族にとって、いつもの病院とは違う楽しい時間。神門さんの団体からはかわいいバルーンや家族へのリラックスグッズなどがプレゼントされました。
(写真撮影)
「いきます~はいチーズ」
(入院中の子ども)
「楽しかったよ」
(入院中の子どもの母親)
「子どもも私も楽しい時間を過ごさせてもらったありがたいです」
(入院中の子どもの母親)
「わくわくするし、ここに来るのが楽しみで、すごくよかった」「とっても支えになります」
(入院中の子ども)
「病院でこんなことがあるなんて思わなかった。楽しかった」
(まるここクラブ 神門 えみ子さん)
「子どもたちが笑顔や明るい表情を見せてくれると、付き添いの親御さんは、その表情をみてほっとしたりうれしかったりする」
病気と闘う親子へ届け…。『あなたは一人じゃない』
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