静岡県警は無罪が確定した袴田巌さんへの当時の捜査について、26日、検証結果を公表しました。裁判所から指摘された証拠のねつ造については、「具体的な事実や証言を得ることはできなかった」と報告しました。
県警は、やり直しの裁判で袴田巌さんの無罪が確定したことを受け、当時の捜査員への聞き取りや捜査記録をもとに事実確認を進めていました。
その結果、判決で自白調書のねつ造が指摘された当時の取り調べについて「供述の任意性が否定されるような取り調べで不適正であった」と指摘。袴田さんの犯行着衣とされた「5点の衣類」や「ズボンの共布」についても、元捜査員6人から聞き取りを行った結果、「ねつ造を行った具体的な事実や証言を得ることはできなかった」とする一方、「ねつ造が行われなかったことを明らかにする事実なども得ることができなかった」と説明しました。
(県警 津田 隆好 本部長)
「改めて、不適性な取り調べ、初動捜査の不徹底、ネガフィルム、録音テープがきちんと管理されていなかったこと、これらについては大変重く受け止めている」「ねつ造といえる証拠も、やっていない証拠もなかった。58年前のことなので、これ以上は何度も確認しかねる」
今回の検証では「証拠のねつ造」については明らかにできませんでしたが、県警は、これ以上の調査はしない考えを示しました。
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