1月16日、ガソリンの販売価格に変化が…。
(山﨑 幸太 記者)
「こちらのガソリンスタンドではきのうはレギュラーガソリンの値段が173円でしたが、きょうは178円と5円値上がりしました」
この店舗では、レギュラーガソリンの販売価格が、15日から5円値上がり、1リットルあたり178円となっていました。
ガソリンの販売価格を巡っては、政府が3年前から、物価高への支援策として、補助金を給付し、価格を抑えてきました。その内容は、ガソリンの販売価格が全国平均で1リットルあたり168円から185円までは最大10.2円補助するほか、185円を超えた分は全て補助されるものです。しかし、2024年11月、政府は、この補助金を段階的に縮小していく方針を決定。これにより、12月19日には、補助金が1リットルあたり5円ほど縮小されましたが、1月16日から、さらに5円ほど縮小されることに。こうした影響に、15日、ガソリンスタンドには、駆け込み給油を行う多くの人が…。利用客からは悲鳴の声が上がりました。
(利用客)
「車が必需品で1週間に1回くらい燃料を供給しているので、1円でも2円でも安くなってほしい」「値上がりがガソリンだけではなくて、すべての物が高くなっているのが現実だと思うので、特に私のような年金受給者には大変」
(利用客)
「120円とかの時代を知っているので、50円の差は厳しい」「地方だと車が生活必需品で、(ガソリンを)入れないわけにはいかないので、安い方がありがたい」
さらに、補助金の対象となっているのは「ガソリン」だけではありません。物流を支える運送トラックの燃料に使われている「軽油」や「航空機燃料」。寒くなったこの時期に活躍するストーブの燃料「灯油」。そして、タンカーの燃料にも使われている「重油」なども影響がでます。
伊豆の国市でイチゴを育てる飯田寿夫さん。約1200坪、12棟のビーニールハウスでイチゴを育てています。
(JAふじ伊豆伊豆の国苺委員会 飯田 寿夫 委員長)
「以前よりはキロ単価、イチゴの値段は上がっている。けれどそれ以上に経費」「燃料もそうだし資材の高騰があるもので…」
この時期、イチゴを育てるのに欠かせないのが暖房。暖かい日はハウス内の温度も高く、暖房は止めていますが、気温が低くなると稼働させます。その暖房の燃料となるのが「重油」です。飯田さんが年間で使う重油は約3万リットルで、これまでも値上げに頭を悩ませて来ましたが、今回の値上げで、さらに年間30万円ほどの負担が増えるといいます。
(JAふじ伊豆伊豆の国苺委員会 飯田 寿夫 委員長)
「一生懸命出荷しても、その分は出していないのと一緒」
Q.節約方法は?
「夕方から朝方は、なるべく温度を本来上げたいけれど、ちょっと1~2度下げるとか」
止まらない価格の高騰。レギュラーガソリンの全国平均価格においては、現在、1リットルあたり180円程度となっていますが、来週以降、185円程度まで上昇すると予想されています。補助金の縮小によって、ガソリン価格の高騰以外に、今後、どういった影響があるのか?静岡経済研究所によりますと、「物流コストの上昇による小売店で販売される商品の値上げ」や、「ガソリン価格の高止まりが続くと、観光地に行く人が少なくなる」などが考えられるということです。食品をはじめ、様々な物の値上げが相次ぐ中、今回の補助金の縮小は、家計に大きな影響を与えることになりそうです。
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