日本海側を中心に大きな影響を及ぼしている最強・最長寒波。4日、午前9時までの12時間降雪量が120センチと、国内の観測史上最大になった北海道・帯広市では、一夜明けても生活に影響が…。
帯広市では、4日できなかったごみ収集が再開しましたが、雪道で車が立ち往生。
(ごみ収集車のスタッフ)
「追いつかねえわ」
作業員は、手で、ごみを運んでいました。
(ごみ収集車のスタッフ)
「道に全然入っていけないです」
このほかにも、公共交通機関に運休が出ているほか、道路も通行止めとなっている区間があるなど影響は続いています。この大寒波の影響は、日本列島の広い範囲に及び、北陸地方でも4日から大雪に。新潟県上越市では、5日4時までの24時間降雪量は99センチと、2月の観測史上最大に。
〈住民〉
「(積もった雪は)ほぼ一晩です。1メートル50センチはありますね」
このほか岐阜・白川村で85センチ、富山市で69センチを記録し、寒波の影響は全国へと広がっています。
そんな数年に一度とも言われる「最強・最長寒波」の影響は静岡県内にも…。5日朝、氷点下4.8度と、県内の観測地点で一番の冷え込みを観測したのは静岡市葵区井川。4日から雪が降り続き、一夜明けた5日、朝9時半ごろには…。
(井川に住む長島さん)
「寒いです。風が強い」
風が強く吹き、木々が大きく揺れる中住宅の屋根には、雪が積もっていることが分かります。車のフロントガラスは雪が覆いかぶさり前が見えない状態に。触れてみると…。
(井川に住む長島さん)
「冷たい」
井川では、1日を通して気温が氷点下となる真冬日となりました。
一方、5日朝、最低気温・氷点下4.6度を観測した御殿場市。
(三間 将一 カメラマン)
「JR御殿場駅前です。気温計はマイナス4度を指しています」
午前7時ごろ、通勤・通学の時間帯が最も寒い気温となり、駅に向かう人のはく息は白く、寒さが伝わってきます。
(三島市民)
「去年の夏から御殿場に通うようになって初めての冬」「寒いとは聞いていたが、これほどまでとは思っていなかった」
(大阪から・台湾出身)
「寒いですよ、大阪より」「台湾は今10度以上、ここは寒い」
(東京から)
「思っていた以上に非常に寒い朝を迎えている。耳とか手が痛い状態」「前日にお風呂に漬かって体を冷やさないようにしていた」
県内では、5日、静岡市清水区で今季最低の氷点下0.9度を観測したほか、菊川牧之原でも氷点下2.3度となるなど、18の観測地点のうち12の地点で氷点下を記録。
県内全域が冷え込む中、「遠州のからっ風」で有名な県西部では…。
午前7時ごろ、ニット帽を深々と被り手袋をつけ、防寒対策ばっちりでウォーキングに励む人の姿が。
(浜松市民)
「洗濯物も外に干して来たけど、寒い寒い、風が。洗濯物が下手したら飛んじゃう」「きょうは寒いよ」
(浜松市民)
「風強いね~、強い。遠州からっ風だね、ほんと。切り干し大根できるよ」
散歩をする人も、笑うしかないほどの寒さ。湖畔の水は凍っているところも…。水辺にいた鳥も、身を寄せ合い寒さをしのごうとする様子が見られました。
一方、富士山はというと…。午前8時ごろには真っ白に雪化粧し、朝日に照らされ輝いていました。普段は山頂付近のみ雪が積もっていますが、5日は麓まで雪が広がり、富士山も、この最強寒波に凍えている様子です。
そんな富士山の登山道須走口の起点でもある小山町の「冨士浅間神社」では…。降り続いた雪が解けず残っている様子も見られ、ここにも最長寒波の影響が。勢いよく流れる滝のそばでは、しぶきが木の枝にかかって凍り、氷柱に。さらには、池の表面も氷が張り、その下を寒そうに金魚が泳いでいる姿も…。
寒いのは人間だけではないようです。
この厳しい寒さから少しでも逃れようと温かい温泉につかる動物も…。伊東市富戸にある「伊豆シャボテン動物公園」では、“冬の風物詩”「元祖カピバラ風呂」が。
(伊豆シャボテン動物公園 飼育係 細見 柾仁さん)
「きょうは寒いので42度くらいでやってます」
お風呂が大好きだというカピバラたちは、飼育係が掃除してくれたお風呂にお湯が溜まるのを、待ち遠しそうに眺めます。お湯が溜まり始めると、待ちきれないカピバラが様子をうかがいながら入浴を始めてしまいました。気付くと、31頭いるカピバラすべてが入浴していました。
(伊豆シャボテン動物公園 飼育係 細見 柾仁さん)
「入らない時は入らないんですけど」「きょうはちょっと風が強いというコンディションもあって、全頭入りましたね」
暖を取りたいのは人間も同じ。寒くなると恋しくなるのが暖房器具です。静岡市駿河区のスーパーでは、午前10時に店が開店すると…。
(勝俣 宜彦 記者)
「こちらの灯油売り場では、開店と同時に多くの人が灯油を買い求めています」
オープン直後から、灯油を買い求める客がひっきりなしに訪れていました。
(客)
「この寒さなので、灯油がないと死んじゃうよ」「僕らみたいな年代だと一日中ほとんど暖房をつけている」「寝る時ぐらいかな(暖房を使用しないのは)朝も5時ごろから点火するようになっている。夜も10時とか11時ぐらいまでつけている」
Q.灯油タンク2個で何日もつ?
(客)
「そうですね、うちは10日じゃないかな」「やっぱり寒いですよ、きのうときょうは特に寒いような気がする」
この店では、1月から2月4日までの灯油の売り上げは、前年同期比で125パーセントでした。
(店員)
「電気代が高値で安定というかそういう流れですよね」「決して灯油も安くはないけれど、火を見るというか温かいというところで灯油の方に比重が上がっているのかもしれませんね」「例年通りだと3月の頭ぐらいまではこの流れだと思うんですよね」
日本列島の広い範囲に影響を及ぼしている「最強・最長寒波」。気象台によりますと、6日の県内は全域で晴れの予報ですが、冷え込みは5日より強まる見込みで、山地では雪が降る恐れもあるということです。この寒気の影響は今度の日曜日・9日まで続くとみられていて、引き続き、寒さへの厳重な対策が求められます。
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