(髙山基彦キャスター)
静岡県の2025年度当初予算案では様々なお金の使い道が示されましたが、鈴木知事は県の「財政状況」が非常に厳しいことを重ねて強調しました
県の財政は2025年度は県税や、賃金の上昇などによって地方消費税が増え、税収は2024年度より475億円も増える見込みです。
それにも関わらず、財源不足額は550億円に上る見込みで、財源不足は3年連続で500億円を超す状況になっています。
不足の要因としては、高齢化による社会保障関係費や金利の影響を受ける公債費の増加。また物価高騰も影響しているということです。
この状況を打破するために、鈴木知事が今回新たに策定したというのが、「中期財政計画」です。
これは2025年度から10年間、事業の見直しなどを行うことで、県の借金にあたるおよそ1兆6000億円ある県債残高を2034年度末までに1000億円程度削減すると示しました。
具体的に何をするのかですが、まず初めの4年間を「改革強化期間」と位置づけ、歳出・歳入の見直しを徹底するということです。
想定として、歳出の見直しでは、部局ごとに予算を配分するのではなく、事業ごとに配分する「一件査定方式」の拡大や、効果の乏しい補助金などの見直し。
歳入の面では、職員住宅などの県有資産で未利用のものの売却を図るということです。
このほか、大規模プロジェクトも見直す想定で、新野球場の建設を目指す浜松市の遠州灘海浜公園の整備も効率的な手法に見直し財政の負担を抑える方針を示しています。
(津川祥吾アンカー)
県の財政が厳しいということは、鈴木知事は答弁の中でも話をしていて、危機感が非常に強いのだと思います。県が「中期財政計画」を立てるのは異例だとも言えますが、それだけ厳しいという意識があるのだと思いますし、その中で最初の4年間を「改革強化期間」として、まさに自分の(任期の)4年間でやるという、結果もはっきり出てくるところなので、責任をもってやりたいということだと思います。具体的にどこまでやるかはこれからですが、これまで浜松市長として成功してきたということもあります。おおたわさんはどのぐらい期待を寄せますか。
(コメンテーター・おおたわ史絵さん(内科医))
そうですね。浜松市での経験があるということなので今回も期待できると思います。ただ、何か改革をしようと思う時には、既存の状況に慣れている人達からの反対というのも出てくることがあると思います。それを、県全体としてどれだけ皆さんで協力体制を築いていけるのかにかかってくるのではないでしょうか。
(徳増ないるキャスター)2025年度に関しては具体的に何を行っていくのでしょうか。
(髙山キャスター)大きなところでは、知事公舎を売却するなど、未利用で高額な物件を売却し、およそ6億7000万円を確保。さらに国の交付金などを積極的に利用し18億円ほど確保するとしています
また、787の事業を見直し。主には、庁舎の修繕工事の優先度を精査し、緊急性の高い工事から実施することで、およそ7億円を削減。
また、県の情報誌を電子化することで、5000万円余りの経費を削減する方針です。
こうした一連の見直しで、136億円の財源を確保するということです。
(津川アンカー)
こういった財政改革というのも重要になってきますが、一方で鈴木知事が最初にやると言っていたスタートアップ。こういったところに非常に期待したいですし、税収を増やすというところもしっかりやってほしいです。もう一つポイントとしてどうしても気になるのが医療の問題です。県東部に医大を誘致するというのは、(選挙の際の)公約のかなり最初のところで言っていたもので、ここは公約と違うという部分については厳しく批判を受ける部分と思います。一方で今お医者さんを本当に増やさないといけないという中での具体的対策、おおたわさんはどう考えますか。
(おおたわさん)
医師の大都市集中というのは全国的に問題になっています。ただ、千葉県などでは立地条件がかなり悪いにも関わらず、研修内容が目覚ましくいいものだからと、若手医師の人気が高いという病院の前例があるのですね。ですから、内容さえ素晴らしければ人は集まってくる。やっぱり勉強したいと考えている若手医師は少なくないと私は思います。
(徳増キャスター)私たちの税金の使い道、これからもしっかり見ていきたいと思います。
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