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国内宇宙ベンチャーispaceの月着陸船は11月28日に打ち上げへ 着陸は2023年4月予定

sorae.jp 2022年11月18日 16時40分

【▲ ispace「HAKUTO-R」ミッション1のペイロード一覧(Credit: ispace)】

株式会社ispaceは11月17日、同社が計画している月面探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション1について、打ち上げ予定日が2022年11月28日に設定されたことを発表しました。

HAKUTO-Rはispaceによる民間主導の月面探査プログラムです。間もなく打ち上げ予定のミッション1は、同社が開発した月着陸船による初の月面着陸ミッションで、打ち上げにはスペースXの「ファルコン9」ロケットが用いられます。同社によると、ペイロードは以下の7つとされています。

・日本特殊陶業株式会社(HAKUTO-Rコーポレートパートナー)の固体電池
・アラブ首長国連邦(UAE)ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)の月面探査車「Rashid」
・株式会社タカラトミー等が開発した変形型の月面探査ロボット「SORA-Q(LEV-2)」
・カナダのMCSS社が開発した人工知能(AI)を用いたフライトコンピューター
・カナダのCanadensys社のカメラ
・HAKUTOのクラウドファンディング支援者の名前を刻印したパネル
・サカナクションの「SORATO」(HAKUTO応援歌)の楽曲音源を収録したミュージックディスク

※…HAKUTOは民間初の月面無人探査を競うコンテスト「Google Lunar XPRIZE」に日本から参加したチームで、HAKUTO-Rの前身にあたる。Google Lunar XPRIZEは勝者がないまま2018年に終了。

【▲ 変形型月面ロボット「SORA-Q(LEV-2)」。左は変形前、右は変形後の様子(Credit: タカラトミー)】

関連:愛称「SORA-Q」タカラトミー等が開発の変形型探査ロボ、2022年度に月面へ

17日の発表時点では、ミッション1の月着陸船を搭載したファルコン9は、米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設から日本時間2022年11月28日17時46分(米国東部標準時同日3時46分)に打ち上げられる予定です。月着陸船は組み立てと試験が行われていたドイツから2022年10月下旬にケープカナベラルへ輸送されており、現在はフェアリングへの搭載作業が行われています。なお、天候などの条件によって打ち上げ日時は変更される可能性があります。

ispaceによると、ミッション1の月着陸船は「氷の海」の南東に位置するアトラス・クレーター(Atlas、直径約88km)に2023年4月末頃に着陸します。この場所は月面探査車を運用するMBRSCの探査目的や、他の顧客の要求に合致するとされています。バックアップの着陸地点としては「夢の海」「虹の入江」「嵐の大洋」などが想定されています。

また、ispaceからはミッション1の詳細なマイルストーンも明らかにされています。マイルストーンはSuccess 1(打ち上げ準備の完了)からSuccess 10(月面着陸後の安定状態の確立)まで大きく10段階に分かれており、ファルコン9への搭載作業が完了した時点でSuccess 1が達成される見込みです。月面へのソフトランディング(軟着陸)に成功すれば、民間企業初の快挙となります。

【▲ ispace「HAKUTO-R」ミッション1のマイルストーンを示した図(Credit: ispace)】

 

関連:ispace「HAKUTO-R」ミッション1、打ち上げは11月9日から15日の予定 日本の民間企業として初めて月へ

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Image Credit: ispace ispace - ispace、ミッション1の打ち上げ予定日を発表

文/松村武宏

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