アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月21日、無人で試験飛行中の新型宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」が同日21時57分(日本時間・以下同様)に、月の裏側で月面に約81マイル(約130km)まで接近して無事通過したと発表しました。
オリオン宇宙船はNASAの「アルテミス1」ミッションで無人飛行試験を行うために、2022年11月16日に新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」初号機で打ち上げられ、月へ向かう軌道に投入されました。
同ミッションでオリオン宇宙船はDRO(Distant Retrograde Orbit、遠方逆行軌道)と呼ばれる月の公転方向に逆行する軌道を1週間ほど飛行することになっています。月面から最大約4万マイル(約6万4000km)離れたDROは安定性が高く、推進剤の消費を抑えつつ試験を行えるメリットがあるといいます。
DROに入るためには2回の軌道修正が必要とされていて、月面に最接近する直前の11月21日21時44分には1回目の軌道修正を行うためのエンジン噴射が2分30秒間に渡って実施されました。NASAによるとミッションは計画通り進行しており、DROに入るための2回目の軌道修正も11月26日6時52分に予定されています。
オリオン宇宙船は12月2日にDROを離脱し、12月12日に地球へ帰還する予定です。
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NASA - Artemis (NASA Blogs)文/sorae編集部