こちらは南天の「ぼうえんきょう座」の方向約2億7000万光年先にある「NGC 6845」です。全部で4つの銀河からなるNGC 6845は、相互作用銀河として知られています。相互作用銀河とは、すれ違ったり衝突したりすることで互いに重力の影響を及ぼし合っている複数の銀河を指す言葉です。
よく見ると、NGC 6845は2種類の銀河で構成されていることがわかります。画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、上にある2つの銀河は渦巻銀河、下にある2つの銀河はレンズ状銀河に分類されています。
渦巻銀河のペアは、重力相互作用によって銀河から引き離された星々やガスからなる構造でつながれています。2つの渦巻銀河は最終的に、別の2つと同じタイプであるレンズ状銀河に進化すると考えられています。
冒頭の画像はチリのセロ・パチョンにあるジェミニ天文台の「ジェミニ南望遠鏡」(口径8.1m)を使って撮影されたもので、NOIRLabから2022年11月23日付で公開されています。
関連:エリダヌス座で輝く衝突銀河のリング ハッブル宇宙望遠鏡&ダークエネルギーカメラで撮影
Source
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/G. Gimeno, R. J. Díaz, H. Dottori; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) NOIRLab - Galactic Quartet文/松村武宏