こちらは約550光年先にある変光星「おうし座HP星」(HP Tau)とその周辺の様子です。米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、おうし座HP星は画像中央で明るく輝く三重連星を構成する星のひとつ。大きな弧を描くように取り囲む反射星雲が印象的です。
おうし座HP星は「Tタウリ型星(おうし座T型星)」と呼ばれるタイプの若い星に分類されています。Tタウリ型星の中心では水素の核融合反応がまだ始まっておらず、星は自身の重力で収縮する時に放出された重力エネルギーで輝くとされています。やがてTタウリ型星は水素の核融合反応が生み出すエネルギーで輝く主系列星へと進化することになります。
冒頭の画像はアメリカのキットピーク国立天文台にある口径4mのメイヨール望遠鏡で取得したデータ(可視光線と赤外線のフィルター合計3種類を使用)をもとに作成されたもので、NOIRLabから2023年1月4日付で公開されています。
Source
Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/P. Massey; Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) NOIRLab - Triple Stellar Treat文/松村武宏