こちらは変光星「オリオン座V372星(V 372 Orionis)」とその周辺です。画像の中央右下で明るく輝いているのがオリオン座V372星で、左上で輝いているのはその伴星とされています。明るい青色と暗い赤色で彩られた星雲を背景に輝く星々の様子が印象的です。
地球から約1450光年離れた散光星雲「オリオン大星雲(M42)」にあるオリオン座V372星は、オリオン変光星(Orion Variable)と呼ばれるタイプの変光星に分類されています。欧州宇宙機関(ESA)によれば、オリオン変光星は散光星雲に関連していることが多い若い星で、明るさが不規則かつ爆発的に変化することが知られています。
この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」と「広視野カメラ3(WFC3)」で取得されたデータ(可視光線と近赤外線のフィルター合計6種類を使用)をもとに作成されました。ちなみに、星から十字形に伸びた針状の光は回折スパイク(diffraction spike)と呼ばれるもので、ハッブル宇宙望遠鏡の副鏡を支えるスパイダー(梁)によって生じています。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2023年1月23日付で公開されています。
Source
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Bally, M. Robberto ESA/Hubble - Tempestuous Young Stars in Orion文/sorae編集部