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JAXA、いよいよ新型ロケット「H3」試験機1号機を打ち上げへ 「だいち3号」を搭載

sorae.jp 2023年2月15日 17時25分

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載した新型ロケット「H3」試験機1号機を日本時間2023年2月17日に打ち上げる予定です。

【▲ H3ロケット試験機1号機。1段実機型タンクステージ燃焼試験後の画像。2022年11月8日撮影(Credit: JAXA)】

JAXAが公開した「打上げ計画書」によると、今回の打ち上げミッションには「だいち3号(ALOS-3)の軌道投入」「H3ロケット(H3-22S)の飛行実証」「H3ロケット開発の妥当性を検証」という3つの目的があります。飛行実証や妥当性の検証といった内容は、新型ロケットの試験機に特有の目的です。

H3ロケットは、液体水素と液体酸素を推進薬として使用する2段式の液体燃料ロケットです。全長は約57m、重量は約422トンで、搭載される衛星や投入する軌道に応じてフェアリング(衛星を保護するカバー)の大きさ、第1段エンジンの数、固体燃料ロケットブースターの本数などを変化させることが可能です。

今回の試験機1号機は「H3-22S」と呼ばれる形態で打ち上げられます。H3-22Sはメインエンジンの「LE-9」を第1段に2基搭載し、固体燃料ロケットブースター(SRB-3)は2本、フェアリングはショート形態となります。JAXAによると、メインエンジンを2基としたのは「H-IIBロケットで実績のあるエンジンを2基束ねた形態からの段階的検証を重視したため」ということです。

【▲ H3ロケット試験機1号機のCG。フェアリングはショートタイプを利用し、2本の固体ロケットブースターを装着している(Credit: JAXA)】

H3ロケット試験機1号機に搭載される「だいち3号」は、2006年から2011年に運用されていた陸域観測技術衛星「だいち」の光学ミッションの後継機である先進光学衛星として、光学センサによる観測を行います。JAXAによると、「だいち」で獲得した技術を発展させただいち3号では、広域かつ高分解能撮像(分解能1m以内)による観測が可能で、主に大規模災害発生時の状況把握や防災、地図作成などに用いられます。

【▲ 先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)実機。種子島宇宙センターの第2衛星フェアリング組立棟での様子(Credit: JAXA)】

H3ロケットは鹿児島県・種子島にある種子島宇宙センター大型ロケット第2射点から打ち上げられます。試験機1号機では打ち上げから1分56秒後に機体両側に付いている固体ロケットブースターが分離され、3分34秒後に衛星フェアリングの分離が、4分58秒後に第1段エンジンの燃焼停止が実施されます。第1段と第2段の分離は打ち上げから5分5秒後に行われ、その後打ち上げから16分36秒後に第2段エンジンが燃焼を停止。ペイロードのだいち3号は打ち上げから16分57秒後に分離され、軌道に投入される予定です。

【▲ 引用:令和4年度ロケット打上げ計画書 先進光学衛星(ALOS-3)/ H3ロケット試験機1号機(H3・TF1)、p9】

 

Source

JAXA - H3ロケット試験機1号機による先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)の打上げについて[再設定(その3)] JAXA - 令和4年度ロケット打上げ計画書 先進光学衛星(ALOS-3)/ H3ロケット試験機1号機(H3・TF1)

文/出口隼詩

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