スペースXは2023年4月7日、通信衛星会社「インテルサット(Intelsat)」の通信衛星「Intelsat 40e(IS-40e)」を打ち上げました。衛星にはアメリカ航空宇宙局(NASA)の大気汚染観測装置「TEMPO(Tropospheric Emissions: Monitoring of Pollution)」が搭載されていて、北米地域の大気汚染観測も実施される予定です。
IS-40eを搭載した「ファルコン9」ロケットは、アメリカ東部夏時間2023年4月7日0時30分、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設から打ち上げられました。
同衛星は同日1時2分にファルコン9の第2段から分離され、同日1時14分に衛星からの信号を受信しました。今後、衛星は自身の推進機能を用いて約3週間かけて西経91度の静止軌道へ投入され、2023年5月ごろから運用を開始する予定です。
打ち上げに使われたファルコン9ロケットの第1段機体は今回が4回目の使用となり、無人船「A shortfall of Gravitas」へ着陸しました。今回飛行した第1段機体は、2022年11月26日に実施された国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッション「CRS-26」の打ち上げで初めて使用。2023年1月10日に実施された衛星通信会社「OneWeb」の通信衛星打ち上げ、2023年2月27日に実施された「スターリンク」衛星の打ち上げでも使用されました。
IS-40eはインテルサットが運用するハイスループット通信衛星で、主に北米地域を対象に航空機や船舶の通信をサポートすることで、インテルサットの顧客にサービスを提供します。なお、ハイスループットとは大容量化した通信システムを指します。衛星の製造と組み立てはマクサー・テクノロジーズ(Maxar Technologies)社が実施しました。
また、IS-40eにはNASAの大気汚染観測装置「TEMPO」が搭載されました。
TEMPOはオゾン、窒素酸化物、二酸化硫黄、ホルムアルデヒドを含む大気汚染物質を監視するための観測装置で、アメリカ、カナダ、メキシコ、キューバなどの地域を定期的に観測します。TEMPOは今年夏頃からの運用開始を予定しているということです。
今回のTEMPO打ち上げについて、NASAのビル・ネルソン長官は「TEMPOは汚染を研究するだけでなく、地球での生活を向上させるためのミッションでもあります。
通勤時間帯の交通量から森林火災や火山による汚染に至るあらゆる影響を監視するNASAのデータは、北アメリカの大気の質を改善し、地球を保護する上で役立つでしょう」とコメントしています。
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Image Credit: SpaceX, Maxar SpaceX - INTELSAT IS-40E MISSION Intelsat - Intelsat 40e High-Throughput Satellite Successfully Launched NASA - NASA’s High-Resolution Air Quality Control Instrument Launches Maxar Technologies - INTELSAT 40E PERFORMING WELL AFTER LAUNCH SpaceNews - SpaceX launches Intelsat’s IS-40e high throughput satellite EVERYDAY ASTRONAUT - Intelsat 40e and TEMPO文/出口隼詩