●日食の仕組みと種類
2023年4月20日14時頃、日本の一部地域で日食が見られます。
ご存知のように日食とは、太陽・月・地球が一直線に並んだ時、太陽が月に隠されることで、欠けたり全く見えなくなったりする現象です。
日食には、「部分日食」、「皆既日食」、「金環日食」の3種類があります。
日食時の太陽の欠け具合は「食分」で表されます。例えば太陽がちょうど半分(50%)欠ける場合は食分0.50となり、皆既日食の場合は食分1以上、部分日食または金環日食の場合は1未満です。
●レアな日食「金環皆既日食」
同じ日食でも、地域ごとに食分の大きさは異なります。今回(2023年4月20日)の日食では、インド洋やオーストラリア、東ティモール、インドネシア、太平洋など海外の一部地域で皆既月食、インド洋と太平洋のごく一部の地域では金環食、その周辺の一部地域で部分日食が起こります。
今回のように、皆既日食と金環日食が同時に起こる日食の事を「金環皆既日食(ハイブリッド日食)」といいます。同じ地球上でも観測地点が異なれば、月までの距離も微妙に異なるために起こる現象です。
金環皆既日食は17年に1回程度しか起こりません。日食が年に2〜5回起こることを考えると、なかなかレアな現象です。
●日本では部分日食となる
今回の日食では、日本でも一部地域で部分日食が見られます。該当する地域は南西諸島、九州・四国・近畿・関東地方の南部、伊豆諸島、小笠原諸島などです。
食分は、最も大きく欠ける小笠原諸島で食分約0.27、つまり27%程度欠けた太陽が見られます。しかし、南西諸島、小笠原諸島を除いた場所は欠け具合が小さく、日食が起こっているかどうかすらはっきり分かりません。
日本の多くの地域では見られないのが残念ですが、ニュースや動画などで大きく欠けるエリアの日食の様子を見るのも、日食の楽しみ方のひとつです。
今回の日食は国立天文台がYouTubeでライブ配信を予定していますし、他の天文台やテレビ局などもライブ配信をすると思われます。今からチェックしておくのも良いかもしれません。
参考:国立天文台 YouTube公式 - 【ライブ配信】石垣島天文台から部分日食を見よう!(2023年4月20日)
●次に日本で見られる日食
次回、日本の広い範囲で見られる日食は2030年6月1日に起こります。北海道の大部分で金環日食となり、東京で食分約0.80、大阪で食分約0.73、福岡で食分約0.66と、かなり大きく欠ける日食です。日本の広い範囲で日食が見られるのは、2020年6月21日以来10年ぶりとなります。7年後が待ち遠しいですね。
Source
Image Credit: 国立天文台、sorae編集部 国立天文台 - 日本の一部地域で部分日食(2023年4月) 国立天文台 - 皆既日食(日本では見られない)(2017年8月)文/sorae編集部