日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)は2023年6月10日、日本科学未来館で3年ぶりとなる対面での「JAMSATシンポジウム」と「衛星からの電波受信体験プログラム」を開催しました。主催者によると、シンポジウムには62名、受信体験には21名が参加したということです。
JAMSATシンポジウムでは「大学が作成する超小型衛星のプレゼンテーション」や「日本の月面着陸機OMOTENASHIのその後」「ドイツのアマチュア衛星通信団体『AMSAT-DL』50周年」の講演が実施されました。
JAMSATによると、OMOTENASHIの講演では小さな機体に機能を組み込む苦労や太陽電池の面積が確保しづらかったことなど、設計時の具体的な話が語られました。また、AMSAT-DLの会長を務めるPeter Guelzowさんの講演では、写真を交えたアマチュア衛星の歴史や、2023年4月に月面着陸が試みられたispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」の電波受信といった幅広い内容が語られたということです。
衛星からの電波受信体験プログラムでは、高知高専が超小型衛星「KOSEN-1」の受信イベントに向けて開発した、段ボールにテープを貼り付けて自作するアンテナを製作。小型の携帯無線機をつなぎ、アマチュア衛星(アマチュア無線の周波数帯で通信を行う人工衛星)を介して行われている交信の受信を行いました。
JAMSATによると、衛星からの受信イベントは大学や高専などの衛星でも時々開催されているものの、アマチュア衛星を介した実際の交信を受信するのは初めての試みだったといいます。「京都からの電波を受信できた」「子どもが参加しました。報告のおしゃべりがなかなか止まりませんでした」といった感想が寄せられました。
JAMSATは今後も機会をとらえてイベントを開催するということです。
※権利関係により「集合写真」の画像を差し替えいたしました。関係者の方にご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございません。【2023年6月19日11時30分,12時20分追記】
※当記事は、日本アマチュア衛星通信協会より提供頂いた画像および原稿を再編集したものです。
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Image Credit: 日本アマチュア衛星通信協会 日本アマチュア衛星通信協会 - JAMSATシンポジウム, 衛星からの電波受信体験プログラム編集/sorae編集部