こちらは「いて座」の方向約8000光年先の球状星団「NGC 6544」です。球状星団とは、数万~数百万個の恒星が球状に集まっている天体のこと。天の川銀河ではこれまでに150個ほどの球状星団が見つかっています。カラフルな星々が密集して輝く様子に美しさを感じる天体です。
欧州宇宙機関(ESA)によると、この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡」の「掃天観測用高性能カメラ」(ACS)および「広視野カメラ3」(WFC3)で取得したデータをもとに作成されています。画像の作成に使用されたデータは、淡いX線源に対応する天体や電波で観測されたパルサーを探すために、それぞれ2005年3月と2013年8月に取得されました。
ちなみに、NGC 6544はいて座にある有名な「干潟星雲」(Lagoon Nebula、M8)の近くに見えます。干潟星雲は幅55光年に渡る輝線星雲で、その一部を捉えた画像はハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ28周年記念画像に選ばれています。
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冒頭のNGC 6544の画像は「ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像」として、ESAから2023年6月19日付で公開されています。
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Image Credit: ESA/Hubble & NASA, W. Lewin, F. R. Ferraro ESA/Hubble - On the edge of the Lagoon文/sorae編集部