こちらは「オリオン座」の方向約1300光年先にある暗黒星雲「LDN 1622」です。満月の見かけの大きさよりも一回りほど広い視野全体に、神秘的な美しさを感じさせる光景が広がっています(画像の視野は36.59×37.59分角)。
暗黒星雲はガスと塵が高密度に集まっている天体です。向こう側にある天体から放射された可視光線を塵が遮り、地球からはその場所が暗く見えることから“暗黒”星雲と呼ばれています。画像の背景を彩る赤い輝きは、電離した水素ガスから放射された赤い光によるものです。
この画像はキットピーク国立天文台(米国アリゾナ州)のメイヨール望遠鏡に設置されている観測装置「Mosaic-3」で取得したデータ(3種類の光学フィルターを使用)をもとに作成されたもので、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)から2023年6月21日付で公開されています。
Source
Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/T. A. Rector; Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab) NOIRLab - Dark Shrouds in Orion文/sorae編集部