ロシアは日本時間2023年8月11日、「ソユーズ2.1b」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていた無人の月探査機「ルナ25号」は予定通り月へ向かう軌道に投入されたことを、ロスコスモスやロシアのメディアが伝えています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
■打ち上げ情報:ソユーズ2.1b(Luna 25)ロケット:ソユーズ2.1b/フレガートM
打ち上げ日時:日本時間2023年8月11日8時10分【成功】
発射場:ボストチヌイ宇宙基地(ロシア)
ペイロード:ルナ25号(Luna 25)
ルナ25号は旧ソ連時代の1976年に打ち上げられた「ルナ24号」以来となるロシアの月探査機で、着陸の主目標地点は月の南極域にあるボグスラフスキー・クレーター(Boguslawsky、直径約95km)の北部とされています。探査機には質量分析計やカメラなどが搭載されていて、月の土壌(レゴリス)の採取と組成の分析が行われる予定です。
ボストチヌイ宇宙基地からソユーズ2.1bロケットで打ち上げられたルナ25号は、フレガートM上段によって月へ向かう軌道に投入されました。ロスコスモスによると、探査機は2023年8月16日に月を周回する高度100kmの円軌道に投入されて3日間飛行し、高度18km×100kmの楕円軌道に遷移した後の2023年8月21日に着陸を行う予定です。
月の南極域はクレーター内の永久影(太陽光が届かない範囲)に水の氷が埋蔵されているとみられることから近年注目されており、アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人月面探査計画「アルテミス」をはじめとした宇宙探査の対象となっています。2023年7月に打ち上げられたインド宇宙研究機関(ISRO)の月探査ミッション「チャンドラヤーン3号(Chandrayaan-3)」もランダー(着陸機)は南緯70度付近の南極域が着陸目標地点となっており、ルナ25号と同時期の2023年8月23日に着陸が実施される予定です。
また、日本でも宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」の打ち上げが2023年8月26日に予定されています。SLIMは科学的に興味深い「着陸したい場所」への高精度着陸を実現するためのピンポイント着陸技術を検証するための探査機で、接地直前に機体を斜めに傾け横向きに接地するという特徴的な方法を採用することで、従来の垂直に接地する方法では着陸が難しかった斜面への着陸に挑みます。
■打ち上げ関連画像・映像【▲ ルナ25号を搭載したソユーズ2.1bロケットの打ち上げライブ配信アーカイブ】
(Credit: Roscosmos)
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Image Credit: Roscosmos Roscosmos (Telegram)文/sorae編集部 速報班