ロシアの宇宙機関ロスコスモス(Roscosmos)は8月16日付で、無人の月探査機「ルナ25号(Luna 25)」を月周回軌道へ投入することに成功したと発表しました。【2023年8月17日10時】
ルナ25号は旧ソ連時代の1976年に打ち上げられた「ルナ24号」以来となるロシアの月探査機で、日本時間2023年8月11日にボストチヌイ宇宙基地から「ソユーズ2.1b」ロケットで打ち上げられ、月へ向かう軌道に投入されました。
関連:ロシア、月探査機「ルナ25号」打ち上げ成功 月面着陸は8月21日の予定(2023年8月11日)
探査機には質量分析計やカメラなどが搭載されていて、月の土壌(レゴリス)の採取と組成の分析が行われる予定です。着陸の主目標地点は月の南極域にあるボグスラフスキー・クレーター(Boguslawsky、直径約95km)の北部とされています。8月15日と8月16日にはルナ25号に搭載されているカメラで月へ向かう途中に撮影された地球や月、機体の一部の画像が公開されています。
ロスコスモスによると、ルナ25号を月周回軌道へ投入するためのエンジン噴射は日本時間2023年8月16日17時57分に開始されました。エンジン噴射は2回行われており、軌道修正用のエンジンを243秒間、着陸用のエンジンを76秒間噴射したということです。探査機の状態は正常で、通信も安定しているとされています。ルナ25号の月面着陸は2023年8月21日の予定です。
なお、2023年8月23日には、インドの月探査ミッション「チャンドラヤーン3号(Chandrayaan-3)」の着陸機による月面着陸も予定されています。また、2023年8月26日には日本の小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」とX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」を搭載した「H-IIA」ロケット47号機が打ち上げられる予定です。
Source
Image Credit: Roscosmos, IKI RAN Roscosmos (Telegram) ロシア宇宙科学研究所(IKI RAN) - ЛУНА-25文/sorae編集部