ドイツは2023年9月14日に「アルテミス合意」に署名しました。これにより、ドイツは同合意の29番目の署名国となりました。
ドイツのアルテミス合意署名は、2023年9月14日に米国・ワシントンD.C.のドイツ大使館で開かれた署名式典で行われました。式典ではドイツ航空宇宙センター(DLP)のヴァルター・ペルツァー(Walther Pelzer)長官がドイツを代表して署名し、アメリカ航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン(Bill Nelson)長官も参加しました。
ヴェルター氏は「ドイツとアメリカは長い間、宇宙において成功しているパートナーである。宇宙産業界におけるドイツ企業は既にアルテミス計画において中心的な貢献をしている。」と述べ、「アルテミス合意は、ドイツ、最終的には欧州全体に産業や科学的研究のための様々な新しい機会を提供する」とコメントしました。
アルテミス合意は、米国が主導する「アルテミス計画」を念頭として、宇宙探査・利用を行う時の原則を示しています。法的拘束力がない政治的な文書ですが、月や火星を含む今後の宇宙活動を行う上では、非常に重要となります。
同合意では1957年に国連で発効した宇宙条約などを基礎に、月、火星、小惑星などを含む宇宙空間の平和的利用、透明性を持った活動、情報の互換性、緊急時の支援、宇宙機などの登録が示されています。これに加えて、科学データの公開、宇宙遺産の保護、宇宙資源の採掘、衝突のリスク回避、スペースデブリ削減などを含む宇宙空間の持続的利用を目指す取り組みについても盛り込まれています。
なお、2023年9月19日時点でのアルテミス合意の署名国は、アメリカ合衆国、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、イギリス、イスラエル、イタリア、インド、ウクライナ、エクアドル、オーストラリア、カナダ、韓国、コロンビア、サウジアラビア、シンガポール、スペイン、チェコ、ドイツ、ナイジェリア、日本、ニュージーランド、バーレーン、ブラジル、フランス、ポーランド、メキシコ、ルーマニア、ルクセンブルク、ルワンダです。
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Image Credit: NASA NASA - NASA Welcomes Germany as Newest Artemis Accords Signatory NASA - Artemis Accord文/出口隼詩