中国の民間宇宙企業iSpaceは現地時間2023年11月2日、再利用試験ロケット「双曲線2号(SQX-2Y)」の打ち上げと垂直着陸に成功しました。
双曲線2号は日本時間2023年11月2日15時0分に中国北部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられました。iSpaceによると、ロケットは最高高度178mに達した後に降下し、離陸から50.82秒に地上へ垂直着陸することに成功しました。
今回飛行した機体は全長17m・直径3.35mの単段式ロケットで、推進剤に液体酸素とメタンを使用するiSpaceのロケットエンジン「Focus-1」が搭載されています。iSpaceによると、今回の飛行試験ではロケットの推進や垂直着陸、誘導、航法、制御に関する試験や検証が実施されました。得られた成果は同社が開発を進めている「双曲線3号(SQX-3)」ロケットに用いられるということです。
海外メディアのSpaceNewsによると、双曲線3号は地球低軌道に13.4トン(再利用モードで8.5トン)を打ち上げる能力があり、1段目の再利用が可能とされています。iSpaceは2025年に双曲線3号の初打ち上げを目指しており、2026年に再利用の実証が行われる予定です。また、iSpaceは2030年までに年間25回の双曲線3号打ち上げを目指しているということです。
iSpaceは2019年に4段式の「双曲線1号」ロケットの打ち上げに成功し、中国の民間企業として初めて軌道に到達しました。その後は2021年に2回、2022年にも1回の打ち上げを行いましたが、いずれも失敗。2023年4月の打ち上げで4年ぶりの成功を収めていました。
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CNSA - 星际荣耀双曲线二号验证火箭飞行任务取得圆满成功 iSpace - 星际荣耀双曲线二号验证火箭飞行任务取得圆满成 SpaceNews - China’s iSpace launches and lands rocket test stage文/sorae編集部