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北朝鮮が偵察衛星の打ち上げに成功したと発表 予告期間の1時間余り前に実施

sorae.jp 2023年11月22日 11時19分

北朝鮮の国家航空宇宙技術総局は2023年11月22日に国営の朝鮮中央通信を通じて、偵察衛星「マンリギョン(万里鏡)1号」を搭載した「チョンリマ(千里馬)1型」ロケットの打ち上げに成功したと発表しました。【最終更新:2023年11月22日10時台】

【▲ 朝鮮中央通信が2023年11月22日付で掲載した画像。2023年11月21日に北朝鮮が打ち上げた「チョンリマ(千里馬)1型」ロケットとみられる(Credit: 朝鮮中央通信)】

発表によると、チョンリマ1型ロケットは日本時間2023年11月21日22時42分に北朝鮮の西海(ソヘ)衛星発射場から発射されました。飛行は正常で、同日22時54分にマンリギョン1号の軌道投入に成功したということです。朝鮮中央通信は打ち上げの準備中や打ち上げ時のチョンリマ1型とみられる画像とともに、打ち上げに立ち会ったとされる金正恩総書記の画像を掲載しています。

【▲ 朝鮮中央通信が2023年11月22日付で掲載した画像。打ち上げ準備中の「チョンリマ(千里馬)1型」ロケットとみられる(Credit: 朝鮮中央通信)】

また、防衛省は2023年11月22日、北朝鮮の「衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射」に関する情報を発表しました。それによると、11月21日22時43分頃に発射された1発は複数に分離し、1つ目は朝鮮半島の西約350kmの東シナ海上(予告落下区域外)に22時50分頃落下、2つ目は沖縄本島~宮古島間の上空を通過した後、沖ノ鳥島の南西約1200kmの太平洋上(予告落下区域内)に22時57分頃落下したと推定されています。なお、本記事の最終更新時点では、防衛省等から衛星の地球周回軌道投入が確認されたとの発表はありません。

【▲ 2023年11月21日に発射された「チョンリマ(千里馬)1型」ロケットとみられる物体の落下位置を示したイメージ図。防衛省が2023年11月22日付で発表した「北朝鮮のミサイル等関連情報(続報)」から引用(Credit: 防衛省)】

北朝鮮から発表されたチョンリマ1型の打ち上げは今回が3回目です。2023年5月31日に実施された初打ち上げでは2段目エンジンの始動時に異常が発生して黄海に墜落、2023年8月24日に実施された2回目の打ち上げでは3段目の飛行中に非常爆発システムの誤作動が発生し、いずれも打ち上げに失敗したとされていました。

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今回の打ち上げに先立つ11月21日、北朝鮮は日本時間2023年11月22日0時0分~12月1日0時0分の間に人工衛星の打ち上げを行うと海上保安庁に対して通報しており、黄海・東シナ海・太平洋のルソン島(フィリピン)東方に予告落下区域が設定されていました。しかし、実際には予告された期間が始まる時刻の1時間以上前に打ち上げが実施されたことになります。

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国連安全保障理事会は地下核実験やミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮に対して、弾道ミサイル技術を使用した発射をはじめ、弾道ミサイルおよび核関連活動の停止・計画の放棄を安保理決議で義務付けています。松野官房長官は2023年11月22日付の声明で「北朝鮮は、国連安保理決議違反である、ICBM級を含む弾道ミサイル等の発射を繰り返しており、特に、今回強行した発射では、事前に通知のあった時間外にこれを行った」「我が国は、北朝鮮に対して厳重に抗議し、日本国民の強い憤りを伝えるとともに、最も強い表現で非難した」と述べています。

 

Source

朝鮮中央通信 - 朝鮮国家航空宇宙技術総局の報道 偵察衛星を成功裏に打ち上げる 防衛省 - 北朝鮮のミサイル等関連情報(続報) 内閣官房 - 内閣官房長官声明

文/sorae編集部

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