中国航天科技集団有限公司(CASC)は2023年12月16日付で、リモートセンシング衛星「遥感41号」を搭載した「長征5号」ロケットの打ち上げを実施したと発表しました。
日本時間2023年12月15日22時41分、遥感41号を搭載した長征5号は海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げられました。CASCによると、衛星を計画通りの軌道へ投入することに成功したということです。
長征5号はCASCの傘下である中国運裁火箭技術研究院(CALT)によって開発されたロケットです。今回の打ち上げでは以前の打ち上げで使用されたものよりも6m以上長い、高さ18.5m・直径5.2mの新型フェアリングが使用されました。大型化したフェアリングを採用することで、従来は搭載できなかった大きさや重量のペイロード(搭載物)を収容できるようになります。
遥感41号はCASCの傘下である中国空間技術研究院(CAST)によって開発されました。中国国営の新華社通信は遥感41号について、高軌道光学リモートセンシング衛星であり、土地調査や作物収量予測、環境マネジメント、気象予報、災害予測などに使用されると報じています。遥感は中国語で「リモートセンシング」という意味を表現しますが、一部の専門家は事実上の偵察衛星だと考えています。
アメリカ宇宙コマンドの衛星追跡サイト「Space-Track.org」によると、遥感41号は2023年12月25日の時点で軌道傾斜角19.47度、高度190km×3万5818kmの軌道を周回しています。同衛星が最終的に高度約3万6000kmの静止軌道に配置された場合、地球上の3分の1が視野に入り、同じ領域を常に観測することが可能となります。
Source
CASC - 长征五号运载火箭成功发射遥感四十一号卫星 CASC - Lengthened Long March 5 becomes height benchmark of China's launch vehicles in commission 新華社 - China launches new remote sensing satellite SpaceNews - China launches large classified optical satellite towards geostationary orbit 気象衛星センター - 静止気象衛星と極軌道気象衛星文/sorae編集部