日本の民間宇宙企業である有人宇宙システム株式会社(JAMSS)は、米国の民間宇宙企業Axiom Space(アクシオム・スペース)による民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-3」のクルーに対して、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の操作訓練を提供したと発表しました。
JAMSSとアクシオム・スペースによると、Ax-3に参加するバックアップを含めたクルー5名は茨城県にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターで「きぼう」の基本的機能や緊急時対応に関する訓練を行なったということです。JAMSSはアクシオム・スペースが過去に実施した「Ax-1」ミッション(2022年4月)と「Ax-2」ミッション(2023年5月)でもクルーの訓練を提供してきました。
JAMSSによると、同社には宇宙飛行士訓練インストラクタが約20名在籍しており、これまでに国内外約280名以上の宇宙飛行士へ提供された訓練数は1万9000以上に及ぶということです。
Ax-3のクルー4名を搭載した「クルードラゴン」宇宙船は2024年1月19日6時49分(日本時間・以下同様)に米国フロリダ州のケネディ宇宙センター39A射点から打ち上げられ、1月20日19時42分にISSへドッキングすることに成功しました。Ax-3のクルーはISSで30以上の科学実験を行うということです。
Ax-3に参加しているクルーはコマンダーを務めるマイケル・ロペス=アレグリア(Michael López-Alegría)宇宙飛行士、パイロットを務めるワルテル・ヴィラディ(Walter Villadei)宇宙飛行士、ミッションスペシャリストを務めるアルパー・ゲゼラフチ(Alper Gezeravci)宇宙飛行士とマーカス・ヴァント(Marcus Wandt)宇宙飛行士です。
ロペス=アレグリア飛行士はアメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士として3回のスペースシャトル搭乗、1回のソユーズ宇宙船搭乗を経験しています。アクシオム・スペース初の民間有人宇宙飛行「Ax-1」でもコマンダーを務めており、NASAでのミッションを含め今回で宇宙飛行は6回目となります。ヴィラディ飛行士はイタリア空軍出身で、民間宇宙企業ヴァージン・ギャラクティックの「Galactic 01」ミッション(2023年6月)でイタリア人として初めて商業サブオービタル飛行を経験しました。ゲゼラフチ飛行士はトルコ初の宇宙飛行士です。ヴァント飛行士はスウェーデン出身者で、2022年11月に欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士候補者として選ばれました。
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JAMSS - 民間宇宙飛行士ミッションの訓練をJAMSSが実施しました。 PR TIMES - 民間宇宙飛行士ミッションの訓練をJAMSSが実施しました。 Axiom Space - Ax-3 Crew Completes Training at ESA, JAXA for Upcoming Mission to ISS文/出口隼詩 編集/sorae編集部