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【速報・更新】JAXA月探査機「SLIM」月面で夜を越すことに成功 コマンド送信に応答

sorae.jp 2024年2月26日 14時51分

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月26日13時半頃、X(旧Twitter)の小型月着陸実証機「SLIM」プロジェクト公式アカウントにて、着陸地点が夜を迎えるため休眠状態に入っていたSLIMが夜を越してコマンド送信に応答したと発表しました。SLIMの運用は通信機器の温度が下がってから再開できるように準備が進められる予定です。【最終更新:2024年2月27日10時台】

【▲ 参考画像:小型月着陸実証機「SLIM」から放出された探査ロボット「LEV-2(SORA-Q)」のカメラで撮影された画像。大きく傾きつつ接地した状態のSLIMが右奥に写っている。画像は試験画像で、もう1機の探査ロボット「LEV-1」経由の試験電波データ転送により取得されたもの(Credit: JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学)】

SLIMは日本時間2024年1月20日0時20分頃に日本の探査機として初めて月面へ軟着陸することに成功したものの、2基搭載されているメインエンジンのうち1基で着陸直前に生じたトラブルによって接地時の水平方向の速度や姿勢が想定外となり、逆立ちして太陽電池を西に向けたような姿勢で安定。バッテリーに充電できないことからSLIMの電源は一時オフにされたものの、太陽光が西から当たって太陽電池から電力を得られるようになった2024年1月28日以降は「マルチバンド分光カメラ(MBC)」による岩の観測が行われていました。

着陸地点が夜を迎えることから、日本時間2024年1月30日~31日の運用以降、SLIMは休眠状態に入っていました。月の昼夜は2週間ずつ続くため、JAXAはSLIMの太陽電池に再び太陽光が当たるようになる2月中旬以降の運用に再挑戦するとしていました。

【▲ SLIMのマルチバンド分光カメラ(MBC)で電力回復後に取得された月面スキャン画像(モザイク合成)。観測候補の岩石に付けられた愛称が示されている。2024年2月1日公開(Credit: JAXA、立命館大学、会津大学)】

JAXAによると、日本時間2024年2月25日~26日にかけての運用でSLIMに向けてコマンドを送信したところ応答があり、通信機能を維持して夜を越したことが確認されました。通信機器の温度がまだ非常に高かったことから運用は短時間で終了されており、今後は温度が十分に下がったところで観測が再開できるように準備を進めるということです。なお、SLIMは約マイナス170℃まで温度が下がる月の夜を乗り越えるようには設計されておらず、夜の間に電子機器が損傷する可能性もありました。

【▲ 越夜成功後にSLIMの航法カメラで撮影された月面の様子。JAXAがXのSLIM公式アカウントを通して2024年2月26日21時半頃に公開(Credit: JAXA)】

昨晩、コマンドを送信したところSLIMから応答がありました。SLIMは通信機能を維持しての月面での越夜に成功しました!昨晩はまだ月の昼で通信機器の温度が非常に高かったことから短時間の運用のみで通信を終了しています。今後、温度が十分に下がったところで観測を再開できるように準備を進めます。 pic.twitter.com/dGbBkAAK1H

— 小型月着陸実証機SLIM (@SLIM_JAXA) February 26, 2024

SLIMについては新しい情報が発表され次第お伝えします。

【2024年2月27日10時42分更新】越夜成功後にSLIMの航法カメラで撮影された月面の画像を追加しました。

 

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Source

小型月着陸実証機SLIM (X, fka Twitter)

文/sorae編集部 速報班

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