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米民間企業の月着陸船「Nova-C」活動終了へ 夜を越せる可能性に期待

sorae.jp 2024年3月4日 9時44分

アメリカの民間企業インテュイティブ・マシーンズは日本時間2024年3月1日朝、インテュイティブ・マシーンズの月着陸ミッション「IM-1」の最新情報を公開しました。着陸地点が夜を迎えるためにIM-1の月着陸船「Nova-C」は活動を終えますが、同社はNova-Cが夜を越して再び交信できる可能性に期待を込めたメッセージを添えています。【最終更新:2024年3月1日11時台】

IM-1はインテュイティブ・マシーンズ初の月着陸ミッションで、着陸船のNova-Cにはアメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月輸送サービス(CLPS)の下で選定された6つのペイロードと民間の6つのペイロード、合計12のペイロードが搭載されています。なお、IM-1のNova-Cは「Odysseus」と命名されており、「Odie」の愛称でも呼ばれています。

IM-1ミッションのNova-Cは日本時間2024年2月15日にスペースXの「Falcon 9」ロケットで打ち上げられた後、日本時間2024年2月23日8時24分に月面へ着陸することに成功しました。アメリカとしては1972年12月に実施された「アポロ17号」以来約51年2か月ぶり、民間としては世界初の月面着陸(軟着陸)となります。ただ、高度測定データを欠いたまま降下することになったNova-Cは計画を上回る速度で接地したために着陸脚の一部を損傷し、最終的に横転した姿勢で安定しています。

関連記事:米民間企業の月着陸船「Nova-C」月面で撮影された新たな画像公開 着陸時の詳細も判明(2024年2月29日掲載)

【▲ インテュイティブ・マシーンズの月着陸船「Nova-C」に搭載されているカメラで米国の現地時間2024年2月22日に撮影された画像。月の地平線の上で輝く太陽の左隣には三日月状の地球が写っている(Credit: Intuitive Machines)】

こちらはインテュイティブ・マシーンズが公開した最新の画像で、アメリカの現地時間2024年2月29日、着陸地点が夜を迎えることで活動を終えるNova-Cから電力が尽きる前に送信されたデータに含まれていたものです。アメリカの現地時間2024年2月22日の着陸前にNova-Cのカメラで撮影されたとみられ、月の地平線の上で眩しく輝く太陽の左隣には三日月状の地球の姿が写っています。

月の表面は大気がほぼ存在しないことに加えて、昼間は約110℃まで温度が上がり、夜間は約マイナス170℃まで温度が下がる過酷な環境です。昼夜の厳しい寒暖差は特に電子機器を損傷させる可能性があるものの、インテュイティブ・マシーンズはNova-Cの電子機器やバッテリーが2週間続く月の夜の寒さに耐えられる可能性を考慮して着陸地点が昼を迎えたNova-Cと再び交信できるように備えており、最新情報も"Goodnight, Odie. We hope to hear from you again."(おやすみ、Odie。私たちはあなたからの連絡を待っています)というメッセージで締め括られています。

インテュイティブ・マシーンズのIM-1ミッションについては新たな情報が発表され次第お伝えします。

 

Source

Intuitive Machines - IM-1 Intuitive Machines (X, fka Twitter)

文/sorae編集部

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