アメリカ航空宇宙局(NASA)とアメリカの航空大手Boeing(ボーイング)は2024年4月25日付で、ボーイングが開発中の新型宇宙船「CST-100 Starliner(スターライナー)」による有人飛行試験ミッション「Crew Flight Test(CFT)」の飛行試験準備完了審査(Flight Test Readiness Review)が完了したと発表しました。CFTの打ち上げは早ければ日本時間2024年5月7日に実施される予定です。【最終更新:2024年4月26日11時台】
スターライナーはスペースXの「Crew Dragon(クルードラゴン)」とともに、NASAのCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)のもとで開発がスタートした有人宇宙船です。初飛行は2019年12月に実施された無人飛行試験ミッション「Orbital Flight Test(OFT)」で、この時はソフトウェアの問題が生じたために計画されていた軌道へ入ることができず、国際宇宙ステーション(ISS)への到達を断念して地球に帰還。2022年5月には2回目の無人飛行ミッション「OFT-2」が実施され、ISSとのドッキングを含む打ち上げから帰還までの実証試験に成功しています。
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Starlinerによる本格的な有人飛行の開始に先立ち、NASAとボーイングは実際にクルーを搭乗させるCFTの実施を控えています。CFTではNASAのBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士とSunita Williams(スニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士がプライムクルーに、Edward Michael Fincke(マイケル・フィンク)宇宙飛行士がバックアップクルーに任命されています。
NASAとボーイングによると、スターライナーのCFTは早ければアメリカ東部夏時間2024年5月6日22時34分(日本時間5月7日11時34分)に打ち上げが実施される予定です。予備日はアメリカの現地時間で5月7日・10日・11日が利用可能と報じられています。打ち上げから約1日後にISSへ到着するウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士は、ISSに1週間ほど滞在した後で地球へ帰還します。
スターライナーの打ち上げにはUnited Launch Alliance(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ULA)の「Atlas V(アトラスV)」ロケットが使用されます。アメリカの現地時間2024年4月26日にはNASA、ボーイング、ULAによる打ち上げリハーサルが実施される予定だということです。
なお、ISSではスターライナーの到着に備える準備として、現在ISSに係留中の無人補給船「Cargo Dragon(カーゴドラゴン)」の出発とクルードラゴンの移動が行われる予定です。カーゴドラゴンのISS離脱はアメリカの現地時間2024年4月26日に予定されていましたが、着水予定海域の悪天候が予想されることから同4月28日に延期されており、CFTのスケジュールにも影響する可能性があります。
Source
NASA – NASA Flight Test Readiness Review Concludes, Teleconference to Follow (NASA Blogs) Boeing – NASA gives Starliner ‘go to proceed’ SpaceNews – Starliner crewed test flight passes key review文・編集/sorae編集部