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ISSでクルードラゴン宇宙船の移動作業実施 スターライナー到着に備える

sorae.jp 2024年5月5日 10時25分

2024年5月2日夜(日本時間・以下同様)、国際宇宙ステーション(ISS)では係留中の宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」のドッキング位置を変更する作業が実施されました。【最終更新:2024年5月3日11時台】

【▲ ドッキング場所を移動するためにISSを離れて再アプローチするクルードラゴン宇宙船。アメリカ航空宇宙局(NASA)のライブ配信から(Credit: NASA TV)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-8(クルー8)」で使用されているクルードラゴン「Endeavour(エンデバー)」は、4名のクルーを乗せて2024年5月2日21時57分にISSの「Harmony(ハーモニー)」モジュール前方のドッキングポートを離脱し、同日22時46分に同モジュール上方のドッキングポートへ再ドッキングすることに成功しました。

今回のクルードラゴン「エンデバー」の移動は、ボーイングの新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」の有人飛行試験「Crew Flight Test(CFT)」に向けた準備の一環として実施されました。

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スターライナーとクルードラゴン、それに補給船「Cargo Dragon(カーゴドラゴン)」がISSにドッキングできる場所は、ハーモニーの前方と上方の2か所にあります。スターライナーは前方へドッキングする予定なのですが、そこにはクルードラゴンが係留されていたため、スターライナーが打ち上げられる前にハーモニーの上方へ移動させなければなりません。ハーモニー上方のドッキングポートには2024年4月29日までカーゴドラゴンが係留されていたため、クルードラゴンを移動するにはカーゴドラゴンの離脱を待つ必要がありました。なお、ISSでは宇宙船の係留場所を移動する作業が度々行われており、NASAによると今回の移動はISSの歴史上28回目の作業となりました。

【▲ 2024年5月2日時点で国際宇宙ステーション(ISS)に係留中の宇宙船を示した図。今回の作業でCrew-8ミッションのクルードラゴン宇宙船が「ハーモニー」モジュールの上方へ移動したため、同モジュール前方のドッキングポートを空けることができた(Credit: NASA)】

ISSでの受け入れ準備と並行して、地上ではCFTの打ち上げ準備が進められています。スターライナーに初めて搭乗する人物となるNASAのBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士とSunita Williams(スニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士はすでに隔離期間に入っており、ケネディ宇宙センターの施設で打ち上げ日を待っています。

【▲ ケネディ宇宙センターの施設内からメディア向けのバーチャルイベントに参加したアメリカ航空宇宙局(NASA)のバリー・ウィルモア宇宙飛行士(右)とスニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士(左)。アメリカの現地時間2024年5月1日撮影(Credit: NASA/Kim Shiflett)】

CFTのスターライナーは2024年5月7日11時34分に打ち上げられ、5月8日13時48分にISSへドッキングする予定です。同センターによると、スターライナーを搭載したUnited Launch Alliance(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ULA)の「Atlas V(アトラスV)」ロケットが打ち上げられるケープカナベラル宇宙軍基地第41発射施設の当日の天候は、90%の確率で良好だと予想されているということです。

【▲ ケープカナベラル宇宙軍基地第41発射施設の垂直統合施設でユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットに搭載された新型宇宙船「スターライナー」。アメリカの現地時間2024年4月16日撮影(Credit: NASA/Kim Shiflett)】

 

Source

NASA – Space Station (NASA Blogs)

文・編集/sorae編集部

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