アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年6月6日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第4回飛行試験を実施しました。Starship宇宙船は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、予定されていたインド洋への着水を行って飛行を終えています。【最終更新:2024年6月6日23時台】
Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。今回の飛行試験は2023年4月、2023年11月、2024年3月に続く4回目の無人飛行試験で、計画ではStarship宇宙船は最終的にインド洋へ発射約1時間5分後に着水することになっていました。
関連記事
・スペースX、新型ロケット「スターシップ」第3回飛行試験実施 宇宙船は大気圏再突入の段階まで飛行(2024年3月15日)
・スペースX、新型ロケット「スターシップ」第2回飛行試験実施 宇宙船は宇宙空間到達後に喪失か(2023年11月20日)
・スペースX、スターシップの無人飛行試験実施 高度39kmに到達も4分後に飛行中断(2023年4月21日)
米国テキサス州ボカチカにあるSpaceXの施設「Starbase(スターベース)」から日本時間2024年6月6日21時50分に打ち上げられたStarship宇宙船は、発射約2分50秒後(※発射からの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)にSuper Heavyを分離。ブーストバック燃焼(飛行経路に対する逆噴射)を行って降下したSuper Heavyは、発射約7分30秒後に着陸噴射を行ってメキシコ湾へ着水することに成功しました。
一方、上昇を継続したStarship宇宙船は発射約8分30秒後に高度約150キロメートルでエンジン燃焼を停止し、慣性飛行に移行。発射約45分後には高度100キロメートルを下回って大気圏再突入を開始しました。
プラズマ化した大気に包まれながら減速する途中、ライブ映像ではフラップの1つが高熱によって損傷していく様子も写し出されていましたが、Starship宇宙船は姿勢制御を失うことなく降下を継続。海面付近で機体を水平姿勢から垂直姿勢に起こして着陸噴射を行い、発射約1時間5分後にインド洋へ着水しました。
SpaceXは公式Xアカウントを通じて「着水が確認された」と発表しており、機体の一部は損傷したものの、Starship宇宙船は今回予定されていた打ち上げから着水までの飛行に成功したことになります。
Starship第4回飛行試験の詳しい結果については新たな情報が発表され次第お伝えします。
Source
SpaceX – Starship’s Fourth Flight Test SpaceX (X)文・編集/sorae編集部