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ボーイング新型宇宙船「スターライナー」クルーを乗せて初めてISSに到着

sorae.jp 2024年6月7日 18時10分

日本時間2024年6月7日未明、2名のクルーを乗せたBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」がISS(国際宇宙ステーション)とドッキングすることに成功しました。今回はStarlinerの有人飛行試験ミッションであり、同船が宇宙飛行士を乗せてISSに到着するのは初めてです。【最終更新:2024年6月7日10時台】

【▲ 2名のクルーを乗せてISS(国際宇宙ステーション)に接近するBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」(Credit: NASA)】

アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から日本時間2024年6月5日23時52分にUnited Launch Alliance(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ULA)の「Atlas V(アトラスV)」ロケットで打ち上げられたStarlinerは、地球を周回しつつISSと同じ高度約400kmまで1日ほどかけて上昇。日本時間2024年6月7日2時34分にISSの前方に位置する「Harmony(ハーモニー)」モジュールの前方へドッキングすることに成功しました。

Starlinerに搭乗していたNASA(アメリカ航空宇宙局)のBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士とSunita Williams(スニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士は、ハッチが開放された後の日本時間2024年6月7日4時45分にISSへ乗船。現在ISSに滞在している第71次長期滞在クルー7名との合流を果たしました。

【▲ ISS(国際宇宙ステーション)第71次長期滞在クルーと合流したNASA(アメリカ航空宇宙局)のBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士(前列右)とSunita Williams(スニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士(前列左)(Credit: NASA TV)】

StarlinerはSpaceX(スペースX)の宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」とともにNASAのCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)のもとで開発がスタートした有人宇宙船です。これまでに2回の無人飛行試験が実施されており、今回のミッション「Crew Flight Test(CFT)」は開発の最終段階となる有人飛行試験の位置付けです。

NASAによると、打ち上げ成功後のStarlinerでは姿勢制御システム(RCS)で使用されているヘリウムの漏洩が3か所で検出されました。そのうち1つは打ち上げ前に判明していましたが、残る2つはStarlinerが地球周回軌道へ到達してから発生したとされています。クルーの睡眠中はヘリウムの3か所のマニホールドを閉じて対応し、ISSへのランデブーとドッキングを行う時に開いた後、ドッキング後は通常の計画通り全てのマニホールドを閉じたということです。

【▲ 2名のクルーを乗せてISS(国際宇宙ステーション)に到着したBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」(Credit: NASA TV)】

また、ISSへの接近を開始した段階では、Starlinerの姿勢制御システムに組み込まれている複数のスラスターのうち5つが故障。ISSから200mの距離を保ちつつ手動操縦で噴射テストを実施した結果、そのうち4つが復旧し、ドッキング操作が進められました。このため、ドッキングは当初の予定から1時間以上遅れての成功となりました。

Boeingによると、Wilmore飛行士とWilliams飛行士はISSに8~10日間滞在します。2名のクルーは滞在中にStarlinerのシステムが期待通り作動することを確認するとともに宇宙船に搭載されていた345kgの貨物をISSへ運び込む作業を行った後、再びStarlinerに乗り込んでISSを離れ、地球へ帰還する予定だということです。

【▲ 日本時間2024年6月7日時点でISS(国際宇宙ステーション)に係留中の宇宙船を示した図。CFTミッションの「Starliner(スターライナー)」はISS前方にドッキングしている(Credit: NASA)】

 

※文中の一部の表記に誤りがありましたので修正しました【2024年6月8日17時】

Source

NASA – NASA’s Boeing Crew Flight Test Boeing – Mission Updates

文・編集/sorae編集部

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