CNSA(中国国家航天局)は2024年6月6日、月の裏側で採取されたサンプルを搭載して月面を離れたCNSAの月探査機「嫦娥6号(Chang’e 6)」の上昇機と、月周回軌道で待機していた嫦娥6号の周回機がドッキングすることに成功したと発表しました。【最終更新:2024年6月7日12時台】
嫦娥6号はCNSAによる月探査ミッションの無人探査機です。地球からは直接見ることができない月の裏側に着陸して周辺の観測を行うと同時に、スコップとドリルを使用して約2kgのサンプルを採取し地球へ持ち帰るサンプルリターンを目的としています。成功すれば月の裏側からのサンプルリターンは世界初となります。
2024年5月3日(日本時間・以下同様)に海南省の文昌衛星発射センターから「長征5号」ロケットで打ち上げられた嫦娥6号は、5日後の5月8日に月周回軌道に到達。嫦娥6号を構成する周回機・着陸機・上昇機・帰還機のうち、上昇機を載せた着陸機は5月30日に周回機から分離し、6月2日7時23分に南極エイトケン盆地にあるアポロ・クレーター(Apollo、アポロ盆地とも。直径約524km)南部の目標エリアへ着陸しました。2日間かけてサンプルを採取した後、6月4日8時38分にはサンプルを搭載した上昇機が着陸機から離陸し、月周回軌道へ戻ることに成功したと発表されています。
関連記事
・中国、月探査機「嫦娥6号」のサンプル採取完了と月面からの離陸を発表(2024年6月4日)
CNSAによると、嫦娥6号の上昇機は4回の軌道修正を行って周回機に接近し、2024年6月6日15時48分にドッキングすることに成功。サンプルを収めた保管容器は同日16時24分に上昇機から周回機に搭載されている帰還機へ移し替えられたと発表されています。月周回軌道で中国の探査機がランデブーとドッキングを実施したのは2020年12月の月探査機「嫦娥5号(Chang’e 5)」以来2回目とされています。
今後、帰還機を載せた周回機は上昇機を分離して月周回軌道を離れ、地球に帰還するまでの飛行を担います。サンプルを搭載した帰還機は大気圏へ再突入後、内モンゴル自治区の四子王旗着陸場へ着陸する予定だということです。
Source
CNSA – 嫦娥六号完成月球轨道交会对接与在轨样品转移文・編集/sorae編集部