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JAXA、H3ロケット3号機打ち上げ成功 だいち4号を軌道投入

sorae.jp 2024年7月1日 17時32分

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本時間2024年7月1日に「H3」ロケット3号機の打ち上げを実施しました。搭載されていた先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」は正常に分離されたことがJAXAから発表されています。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

■打ち上げ情報:H3ロケット3号機

ロケット:H3ロケット(H3-22S)
打ち上げ日時:日本時間2024年7月1日12時6分42秒【成功】
発射場:種子島宇宙センター大型ロケット発射場(日本)
ペイロード:だいち4号(ALOS-4)

H3は日本の新たな主力ロケットとしてJAXAと三菱重工業が開発したロケットです。2023年3月7日に実施された試験機1号機による初飛行では2段目エンジンに点火できず打ち上げに失敗。対策を行った試験機2号機による2024年2月17日の打ち上げは成功し、ロケット性能確認用ペイロード(VEP-4)による分離確認試験と小型副衛星2機の放出が実施されました。

今回のH3ロケット3号機は機体形態にH3-22S(※)を採用し、ペイロードとして先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」が搭載されました。「だいち4号」は2014年5月に打ち上げられた陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」の後継機として開発されたJAXAの地球観測衛星で、「だいち2号」から能力が向上したLバンド合成開口レーダー(SAR)「PALSAR-3」、船舶自動識別装置(AIS)の信号を受信して船舶情報を取得する船舶自動識別信号受信器「SPAISE3」、静止軌道上の衛星と光衛星間通信を行うための低軌道衛星用光ターミナル「OLLCT」が搭載されています。「だいち4号」はもともとH3ロケット試験機2号機に搭載される予定でしたが、前述の通り試験機2号機にはVEP-4が搭載されることになったため、打ち上げが先送りされていました。

※…第1段エンジンを2基搭載、固体燃料ロケットブースター「SRB-3」を2基装着、ペイロードを保護するフェアリングはショート形態。

日本時間2024年7月1日12時6分42秒に種子島宇宙センターを飛び立ったH3ロケット3号機は、発射1分56秒後にSRB-3を分離(※発射からの経過時間はJAXA発表の速報値、以下同様)してからは、ペイロードを極軌道へ投入するために飛行経路を南の方向へ大きく変更していきます(ドッグレッグ)。発射5分0秒後には1段目エンジンが燃焼を停止し、その8秒後に1段目と2段目が分離。2段目エンジンは発射5分21秒後から16分13秒後にかけて第1回燃焼を行い、発射16分34秒後に「だいち4号」を分離して軌道へ投入することに成功しました。

なお、軌道投入後の「だいち4号」はオーストラリアやチリにあるJAXA追跡ネットワークの海外拠点で信号の受信に成功しており、太陽電池パドルの展開と衛星の太陽捕捉制御が正常に行われたことを確認したということです。

■打ち上げ関連画像・映像 【▲ 2024年7月1日に種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられたH3ロケット3号機。JAXAのライブ配信から(Credit: JAXA)】 【▲ 先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」のモニタカメラで撮影された展開後の太陽電池パドル1(+Y面)(Credit: JAXA)】 【▲ 先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」のモニタカメラで撮影された展開後の太陽電池パドル2(-Y面)(Credit: JAXA)】

■打ち上げ関連リンク 直近のロケット打ち上げ情報リスト

 

Source

JAXA – H3ロケット3号機による先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)の 打上げ結果 JAXA – 先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)の衛星状態

文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部

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