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欧州の新型ロケット「アリアン6」日本時間7月10日未明に初打ち上げへ

sorae.jp 2024年7月8日 16時56分

欧州宇宙機関(ESA)は日本時間2024年7月10日未明に新型ロケット「Ariane 6(アリアン6)」の打ち上げを予定しています。四半世紀以上にわたって117回飛行した「Ariane 5(アリアン5)」ロケット最後の打ち上げから1年、ヨーロッパの新たな主力ロケットの初飛行が迫っています。【最終更新:2024年7月8日14時台】

【▲ ヨーロッパの新型ロケット「Ariane 6(アリアン6)」初号機。ギアナ宇宙センターにて2024年6月20日撮影(Credit: ESA–L. Bourgeon)】

Ariane 6は2023年7月まで運用されていたAriane 5の後継にあたるロケットです。機体構成は固体燃料ロケットブースター「P120」を1段目の側面に2基備えた「A62」と、4基備えた「A64」の2種類が用意されています。地球低軌道(LEO)への打ち上げ能力はA62が10.3トン、A64が21.6トン。静止トランスファ軌道(GTO)への打ち上げ能力はA62が4.5トン、A64が11.5トンとされています。

ESAによると、Ariane 6の初号機はフランス領ギアナのギアナ宇宙センターから日本時間2024年7月10日3時0分~7時0分の時間帯に打ち上げられる予定です。上段(2段目)はまず高度700km×300kmの楕円軌道に投入された後に、エンジンを再点火して高度580kmの円軌道に遷移。ペイロードを放出した後に3回目のエンジン点火を行い、南太平洋へ制御落下されます。

【▲ 「Ariane 6(アリアン6)」ロケット初号機に搭載されるペイロード(Credit: ESA)】

初号機にはペイロードとして5つの実験装置、9つの超小型衛星(CubeSat、うち2つは結合した状態で放出された後に分離する予定)、2つの再突入カプセルが搭載されています。実験装置の作動と超小型衛星の放出は円軌道へ遷移するための2回目のエンジン燃焼が終了した後の発射1時間6分前後に数秒間隔で3回に分けて実施され、再突入カプセルの分離は制御落下を行うための3回目のエンジン燃焼を終えた後の発射2時間40分後頃に実施される予定です。

なお、ESAはAriane 6初号機の打ち上げミッションの模様を日本時間2024年7月10日2時30分から英語・フランス語・ドイツ語でライブ配信する予定です。

【▲ 欧州宇宙機関(ESA)による新型ロケット「Ariane 6(アリアン6)」初飛行のライブ配信(英語)】

 

Source

ESA – Ariane 6 launch: how to watch and what to look out for

文・編集/sorae編集部

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