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民間初の船外活動実施目指すミッション「ポラリス・ドーン」早ければ8月26日に打ち上げへ

sorae.jp 2024年8月9日 11時0分

実業家のJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)さんが率いる「Polaris Program(ポラリス・プログラム)」は2024年8月8日、同プログラム初の有人宇宙飛行ミッション「Polaris Dawn(ポラリス・ドーン)」の打ち上げが早ければ2024年8月26日に実施される予定であることを明らかにしました。【最終更新:2024年8月9日10時台】

【▲ 史上初の商業船外活動実施を目指す「Polaris Dawn」ミッションのイメージ。Polaris Programの公式Xアカウントから引用(Credit: Polaris Program)】

Polaris Dawnは4名のクルーがアメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)の有人宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」に搭乗し、地球低軌道で史上初の商業船外活動などを行うことを目的とするミッションです。

コマンダーを務めるIsaacmanさんは、2021年9月に実施された史上初の民間人クルーだけの宇宙飛行ミッション「Inspiration4(インスピレーション4)」でもコマンダーを務めた経験があり、Polaris Dawnは2回目の宇宙飛行ミッションとなります。

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パイロットを務めるScott Poteet(スコット・ポティート)さんは元アメリカ空軍のパイロットで、20年間にF-16などで3200時間以上の飛行経験があります。ミッションスペシャリストを務めるSarah Gillis(サラ・ギリス)さんとAnna Menon(アンナ・メノン)さんはSpaceXのエンジニアで、Menonさんは医療担当も兼任します。

【▲ SpaceXの船外活動用宇宙服を着用した「Polaris Dawn」ミッションのクルー。Polaris Programの公式Xアカウントから引用(Credit: Polaris Program)】

Polaris Programによると、Polaris Dawnのクルーは地球低軌道に最大5日間滞在します。ミッション最大の目的は前述の通り史上初の民間による船外活動(EVA)で、SpaceXが2024年5月に発表した新開発の船外活動用宇宙服が使用されます。月や火星で基地や都市を建設する際には大量の宇宙服が必要となることから、宇宙服の開発と船外活動の実施は将来の長期ミッションにおける拡張可能な宇宙服の設計に向けた重要なステップとされています。

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【▲ SpaceXの船外活動用宇宙服を着用した「Polaris Dawn」ミッションのクルー。Polaris Programの公式Xアカウントから引用(Credit: Polaris Program)】

なお、Crew Dragonには国際宇宙ステーション(ISS)のようなエアロックが存在せず、クルーは機体先端(ISSへのミッションではドッキングポートが備わっている部分)のハッチを開放して出入りします。そのため、Polaris Dawnで船外活動を行う時には船内全体の空気を一旦排出する必要があり、クルーは全員が船外活動用宇宙服を着用することになります。

【▲ 「Polaris Dawn」のミッションパッチ(Credit: Polaris Program)】

また、Polaris Dawnでは船外活動だけでなく、人間の健康に対する宇宙飛行と宇宙放射線の影響をより深く理解するための研究や、SpaceXの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」を利用したレーザーによる光通信のテストも行われる予定だということです。

Polaris Dawnは2024年7月上旬の時点では早ければ2024年7月31日に打ち上げが実施される予定でしたが、Crew Dragonの打ち上げにも使われるSpaceXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットの2段目エンジンで日本時間2024年7月12日のStarlink(スターリンク)衛星(Group 9-3)打ち上げ時にトラブルが発生したため、原因の特定と対策を行うために同ロケットを使用した打ち上げはいずれも先送りされていました。Falcon 9の運用は日本時間2024年7月27日のStarlink衛星(Group 10-9)打ち上げから再開されており、8月8日までに行われた6回の打ち上げはいずれも成功しています。

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Source

Polaris Program - Polaris Dawn

文・編集/sorae編集部

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